第12話 番外編 2年の間の出来事1
「えーっと……ここかな?」
ヒドラを討伐して1年間……体感でいえば10年間のときが過ぎたとき、不穏な気配を遠くから感じたので、探索に来てみた。
「それにしても、森に入るのは一ヶ月ぶりだな。最近はずっと時間がゆっくり進むところで鍛えてたから。魔物相手にどれくらい戦えるのかな?」
僕は、ゆっくりと時間が進む空間のほうが、効率が多いと考え、ずっとそっちの方で修行を続けていたのだ。
そのおかげで、レベル自体は上がっていないけど技を極めたりさらに違う技を習得したのだ。
おっと……復習をしていると、目的の場所についた。それにしても……こんな気配を出しているなんて、どんなやつなんだろうか?
そう思って、僕は気になってみてみるとそこには人の影のようなものが見えた。
「ひ……ひと……?」
驚いて影の先の方を見てみようとすると、木に隠れて見えなかったのでちょっと前に行こうとすると、気付かれた。
「だれだ……?」
「……ばれたか。」
僕は、諦めて出てみたら、そこには人間などいなかった。人間の形をした……
魔族だった……!
『それは……魔王の配下…《魔族》または《魔人》と呼ばれる……。人間に角や羽や尻尾が生えたようやつ。』……と、あの母さんや父さんと一時的にパーティを組んだ人が言っていたよな……。
そしてそれの特徴に……
すべて一致してやがる……!!
「お前……魔族か!名前は何だ!ラファエルか!!」
「……ほぉ、そんな小僧が、こんなところに来れたのか。それに……ラファエル様を知っている……と。」
小僧……!確かに年は14ではあるが……魔族なんかに悪いことを言われると……なんでも腹が立ってしまう気がする。
「ラファエルはどこにいる!!」
「ラファエル様の居場所を小僧なんかに教えてやる筋合いは全くない。……だが、私に小僧が勝つことができたら教えてやろう。ここまで来たということは、それ相応の実力を持っているということだからな……おもしろそうだ!」
「よしっ、勝ったら教えろよ!」
自分でもよく分かっているのに……抑えようとしているのに……どうしても口が悪くなってしまっている。
……よしっ、これで勝ったら……ラファエルの居場所を突き止めることができる!!
「じゃあ、始めてみようか。」
「あぁ!」
僕に有利なことは……ない。実力でも負けてしまっているし、テクニックでも負けてしまっているし、知識でも負けてしまっているし。
でも、かんたんにはやられない。必ず……勝ってやる!
とりあえず……ただ適当に行っても負けてしまう。だからまずは、ステータスを確認する。
名前…カエデ
性別…男子 年齢…14歳
職業…村人
レベル…121
攻撃…451
防御…326
俊敏…512
器用…338
魔力…121
スキル【農業】【限界突破】【経験者取得2倍】
(技【縮地】【気功剣】【気功砲】【バーサーク(狂化)】【肉体強化】【肉体活性】【生活魔法】【気配遮断】【同時複数使用】【予知】【復讐心】【努力心】)
まずは……新しいスキルの確認。
予知は頑張って物の未来を見続けようとし結果、使えることができるようになった技だ。今は最大3秒先の未来を知ることができる。
復讐心は、ラファエルを殺すことを実現させたいと、なんどもなんども考え続けるために獲得した技だ。これのおかけで、レベル上昇率に補正がかかってくれる。つまり、レベルが上がりやすくなるのだ。ちなみに、今は3倍。
努力心は、殺すために努力をし続けたら使えるようになった技だ。これのおかげで、努力が実を結ぶ……つまり、これもレベルが上がりやすくなるのだ。ちなみに、今は3倍。
2つを合わせると……9倍だ。
でも……これでも勝てないと思う。魔族のオーラのようなものを見れば……そう感じてしまう。
……1つ以外の可能性を除いて。僕にはその場でその瞬間に、一時的ではあるがいくらでも強くなることができる技をもっているからな。
だから、僕は……それにかけようと思う。
じゃあ、なんとなくの作戦もある程度は決まったことだし……
戦いますか!そして、必ず勝って……ラファエルの居場所を、掴んでやる!
冴えない村人の復讐譚〜【限界突破】で成長限界のない俺は、日常を壊したあいつらに復讐する〜 一葉 @ichiyo1126
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