第3話 幼少期 3

「んー………。」


 そうか、やっぱり模擬戦に負けちゃったか……。さすが父さんというべきだな。


 そんなことを考えながら、僕は自分の部屋にある窓から、外を見てみる。


 もう外は太陽がちょうど地面を0度として、30度ぐらいのところに太陽が出ていて明るくなっていたというところから、多分今は朝だということがわかる


「今は……もう朝なんだね。そろそろ起きるか。」


「おはよう、父さん、母さん。」


「「お、おはよう。」」


 挨拶をすると、父さんと母さんは、なにか急いでいるようだった。なにかあったんだろうか?


「ねぇ、何かあったの?なんか父さんも母さんもすごい焦っているというか、急いでいるじゃん。」


「あー、あの近くの王国のところで、魔物のスタンピードがあったらしいんだ。」


「そうなの、そのせいで私達も一応冒険者なんだしそっちの方へ向かわないといけないんだよ。」


「そ、そうなんだ……。頑張ってね。」


「おう!」


「えぇ!」


 死んだりしないかな……?と、少し心配になりながらも、でも、父さんと母さんは笑顔なんだ!僕も笑顔で見送らないとということで、僕も笑顔で手を振って見送った。


「……ふぅ。僕も、父さんや母さんのように強くなりたいから、頑張ろうっと。」


 そして、深呼吸をして、ステータス画面を開くための準備をする。


 よしっ、じゃあ2年ぶりのステータス画面を確認だな。いちいち見てばっかりで自分の力を過信するといけないって父さんが言ったからまだ1回しかみてないんだよね。


 どんな感じになっているんだろう?レベルは魔物を倒していないから1だろうけど、修行をしたから基礎能力は上がっているだろうし。


「《ステータスオープン》」



名前…カエデ

性別…男子 年齢…12歳

職業…村人

レベル…1

攻撃…9

防御…3

俊敏…7

器用…5

魔力…1

スキル【農業】



「はぁ……。まぁ過信するといけないって言っても、過信するほどの力もないのは分かっていたんだけど……。」


 上がり具合は、低すぎる。普通のときと比べても。本を見たことがあるから分かるんだけど、この2、3倍は普通は上がるらしい。


 でも、一応村人という最弱の職業なんかでも、ちゃんと基礎能力はやっぱり上がってくれるんだ……!


「よしっ、これからも頑張ろう!」


 早速、素振りでもしますかっ!


 1……2……3……4……!


 1……2……3……4……!


 そして。


「《縮地》《気功剣》」「《縮地》《気功剣》」「《縮地》《気功剣》」「《縮地》

《気功剣》」「《縮地》《気功剣》」……。


「……ふぅ。疲れたー……。母さんが昼ごはんを用意していたんだっけ。食べよっと……。」


 そして、家の中に入ると用意してくれた昼ごはんを食べる。


 ひとりでいると寂しくなるからってことなのか、ご飯の上には父さんと母さんの顔を乗りやハムで表現していた。


「ふふっ、父さんと母さんの顔……なんとなくの特徴をちゃんと表すことができているな……。」


 でも、ここまで顔が上手になってくると、次は食べにくくなってくるよな……。


 っていいながら、きちんと飾りまで食べる。まぁ、食べないと、この海苔とか、ハムとかがもったいないし。


 そして、食べ終わったら僕は、ある決意をする。


「よしっ、魔物を討伐してみますか。ゴブリンとかゴブリンとか、あとラビットとかなら僕でも倒せそうだし。」


 今の僕のステータスなら、なにも努力も何もしていない剣士と同じくらいの攻撃力はあるよね。


「まぁ、これで父さんや母さんを驚かすことができるかも!」


 そう思って、僕は家の近くにある小さな森にナイフ一本で行く。


 少し、この村が古いっていうかボロいっていうか、そんな感じなので近くは木とかが残されていて、森が多い。


「大丈夫かな……。」


 森の中に入って、最初に出会ったのは、熊のような魔物だった。あれは、本で見たことがある気がする。そう、グリズリーだ。


 …………。


 うん。


「逃げろ!ハッ、ハッ、ハッ、ハッ……。」


「グアァァァアアア!」


 やばいやばいやばい!この森は初心者冒険者に親切じゃないのかよ!普通は、初心者冒険者がこの森に入ってきたときはゴブリンとかラビットとかを出してくれよ!


 ハッ…ハッ…ハッ…ハッ…。


 死ぬのかな?たったこんなにちょっとくらいしか森に入っていないのに……。


 ん……?待って。横にラビットがいた気がする。それなら、悪いけどそれを利用させてもらうか。


 せーのっ!


 僕は、ラビットの方へむかう。そうすることで、グリズリーはラビットに気づき、そっちに目線が向いてくれるはずだ。


 すると、予想通りに僕を追いかけていたグリズリーはラビットの方に目が向いてくれて、なんとか逃げることができた。


「ハッ…ハッ…。良かったー……。」


 そして、何分かして熊……じゃなくてグリズリーの気配みたいなのがなくなると、音を立てないように戻ってみた。


 もしラビットの素材とかがあれば使えそうだからね。


「……えーっと、このへんかな……?」


 すると、そこには瀕死のラビットがいた。死んでいたとかではなく、瀕死状態だったのだ。


「え……?これはもしかして。予想外ではあるけど、これは使える。」


 そして、僕は持っていたナイフをラビットに向かって刺す。


…グサッ!…グサッ!


 くっ……。なんか、気持ち悪いな。ラビットの死体もそうだし、僕の感情っていうかそれもそうなんだよね。


「よしっ……《ステータスオープン》」



名前…カエデ

性別…男子 年齢…12歳

職業…村人

レベル…2

攻撃…11

防御…5

俊敏…9

器用…7

魔力…2

スキル【農業】



「やっぱりもうレベルが上がっているよ。」


 僕は、本とかを読み続けて、村人にも良いところがあるということが分かったのだ。

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