困惑

「それを聞いてどう反応するのが正解?」


「安心していい。最初聞いた時は私たちも同じ感想だった」


「最初はうわあってなったけど、今は受け入れているよ。そういう趣味に関しては人の自由だしこっちがどうこういう必要なんてこれっぽっちもないからな」


 受け入れている。そりゃそうだろう。こちらが何か言う必要がないのは本当だし犯罪をしているわけでもない。だけどそれを当事者としてはどう反応したらいいんだよ。


「えっと、美海さんはボクがこのようになった瞬間からそんなことを考えていたってことかな?」


「うーん、そうなるかな。でも無理強いはよくないよね。これは本人たち、ここでは恵と誰かは分からないけど、とにかく男の人。特に屈強な人が理想」


「そ、ソウデスカ……」


 これについては何度でも思うだろう。この言葉を聞いて俺は一体どういう反応をすればいいんだ。複雑極まりない。


「美海もその辺にして。花崎君が困っている。自分の理想を語るのもいいけど、ほどほどにね。じゃないと単なる変質者になっちゃうよ。それにこの段階で恋愛とかは下世話だよ」


「ひーちゃん……、うん。ごめんなさい。少し興奮しすぎたみたい。デリカシーのなさすぎる発言でした」


 美海は頭を下げてくれた。とりあえず、これでこの話はおしまい。そのあと、なんやかんやあって解散した。今日は随分と楽しかった。とは言いつつ、複雑な気持ちだ。



 その日の夜だ。ベッドで少し考えていた。俺は確かに女になることを受け入れはしたけど、いつかはそれこそ、美海の言うようなことが起こるのかもしれない。その時、自分はどういう行動をしたらいいのだろう。まだまだ悩みは尽きない。この姿にも慣れてきた。慣れたとしても、変わらない部分は変わらない。


「ま、なるようになるだろう」


 もう投げておけばいいかな。こういう時にはどうにもならん。考えたって仕方がない。


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お久しぶりです。なんやかんやあって一年ぶりの更新のようです。申し訳ありません。ぼちぼち更新は出来たらと思っています。

と、ここからは内容についてです。最後は想定より短くしましたが、この話で買い物に行く話は終わりです。次の話から本格的に恋愛というやつに入っていきます。この買い物のくだりは美海というキャラのクレイジーさを示すための話です。キャラそれぞれにどこかクレイジーさというか暴走機関車みたいな側面を持っているというのがこの物語の1つのテーマですので。

ともあれ、今後もお楽しみいただければ幸いです。

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君は今日から美少女だ 藤原 @mathematic

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