第11話  7人の総長達!!後半


イリス「ちょ!?先輩!!さすがに

    それは言い過ぎ

    なんじゃないんですか!?」



椅子を倒しながら立ち上がりアリーシャに敬語を使うのも忘れて反論するのは

巨大建設物から小物作りまで様々な物造りを生業とする組織を統括する

造風総長【イリス】

総長の中では最年少でありながら、その卓越した技能と魔力の高さを評価された天才である

アリーシャとは幼なじみであり、学園に通い出した頃からアリーシャを先輩と呼び自分以上の天才であるアリーシャには強い憧れと、これ以上無い完璧超人だと思っているので、100人居ても傷一つ付けられない発言に1番に反応したのだった。


ちなみに、作業途中で駆けつけた為か、ツナギ姿にTシャツとこの場に相応しく無いラフ過ぎる格好で、薄着の割に女性らしいラインが乏しい美少女である。



レイラ「こら!イリス!

  ちゃんとアリーシャ様って言わないと!

    いつまでも学生じゃないんだから

    ちゃんとしないと駄目じゃない!」


イリスを叱ったのは食風総長の【レイラ】

イリスの一回り(12歳)上の実の姉であり、

超一流の料理人で、飲食関係全般を統括している

能力は高いが何処か抜けている妹のイリスを度々注意する姿は総長の面々は見慣れた光景である。

真っ白なコックコートに身を包み、妹イリスとは違い、女性らしい曲線を描くその肢体は、体型に合わせたコックコートがスタイルの良さを際立たせていた。

   

イリス「あぅ、、ご、ごめんなさい

    でも!せんぱ、、アリーシャ様

   は単身でRANK4モンスターを

   を倒せるじゃないですか!

   魔法攻撃ならエルフ族歴代最強だし!

 そのセンパ、ア、アリーシャ様が100人

   居ても勝てないとか

   それこそRANK5クラスの化け物

   じゃないと!!」


アリーシャ「・・・・・」


   ニア「・・・・・」


勢いよく捲し立てるイリスであったが、自分の言った言葉を即座に否定しないアリーシャとニアに

を交互に見て


イリス「え?ええ!?

   そ、そんなはず無いですよね!?

   RANK5ですよ!?」


戸惑いながらも沈黙するアリーシャとニアでは無く他の総長達に向けて発言するイリスだったが、他の総長は皆、アリーシャを見ながら黙っているが内心ではイリスと同じ気持ちだった。


アリーシャはそんなイリスの顔と他の総長達を見回した後、ニアを見て

無言のまま頷く。


頷き返したニアはいつものフワフワした雰囲気から無機質な表情と雰囲気で語り出した。


ニア「今から話す内容は、

 いずれ何かのタイミングで発表されるか、

   周辺のモンスターの変化や

   外国の動向から噂が流れて広がる

  まで、要らぬ混乱を招きかねないので

  内密にお願い致します」


一度言葉を切ると総長達を見回すニア


そんなニアに緊張した面持ちで頷く総長一同


ニア「では、イリス様着席して下さい」


イリス「あ、はい」


ニアに指示され倒れた椅子を元に戻して座り直すイリス。


ニア「はい、ありがとうございます。

   これより話す事はリアリナ様を介して

   デーメステーエル様の言葉と思って

   聞いて下さい」


一拍間を置いた後に語り出すニア。



ニア「ミカゼ様はシュナイダー神様がこの

  ファーシンア国に遣わした異世界から

  来た転移者であり、シュナイダー神様の

  ダンジョンに【唯一】適合した方です」


その瞬間、総長全員が驚愕し、息を飲んだ。


ニア「そして、ここからが内密となる

   中身ですが、シュナイダー神様が

  サタンナイツ元王国の封印やこの世界の

  モンスター発生率を調整していた力を

  弱めてしまった【原因】となる

  モンスターをミカゼ様が単身でお倒しに

  なられたとの事です

  コレは事実であり、そのモンスターは 【最低】でもRANK5以上だったとの事です」


固まる総長一同


思考が付いていかない

しかし

ドリアードであるニアが

デーメステーエル神様の名前を出す時は

一族全員の命をかけてる時の発言なのだから

嘘偽りは絶対にない

それだけは断言出来る

ならば本当の事なのか?

個人で最低でもRANK5のモンスターを単身で倒せる程の英雄が現れたのか?

本当に?あ、いや、疑ってる訳じゃ無くて


普通に信じられない事過ぎてどうして良いか分からない、、、。


え?ちょっと待って?

な、なら

魔法は今も使えないし

魔力操作も出来て無い状態で、、

【純粋な物理攻撃】だけでRANK5以上だったとされるモンスターを討伐した?


ニアの言葉を理解し始めて来た総長達、、

呆然した表情から徐々に驚愕した表情となり、


いち早く我に帰ったノルガは、乾いた口を何度か開閉させながら言葉を絞りだした。


ノルガ「で、では、

  「暁の時」は真(マコト)であり、

  デーメステーエル様をミカゼ様なら

  お救いする事できるのですか?」


ノルガの言葉に他の総長達も

ハッとし我に帰り、

ニアの事を注目する。


ニア「はい!その通りです!!

  ミカゼ様が属性魔法を使いこなす

  事が出来れば必ず

  デーメステーエル神様の

  ダンジョンを攻略し

  デーメステーエル神様を!!

そしてこの国を!!救って下さります!!」

   


それを聞いた総長達はニアの言葉を噛みしめる様に頭で繰り返すと


ワアアアアアアアアアァァァ!!!!


一気に喜びを爆発させた。


ノルガ「わははははは!!

     ついにこの時が!!」


目尻に涙を浮かべ、右手で両目を押さえながら笑うノルガ


ラライ「あぁ、、

    デーメステーエル神様、、」


ハンカチで流れる涙を拭いながらデーメステーエルの名前を呼び続けるラライ



ソニン「アハハハ!すごい!すごい!!」


両手を上げて笑いながらその場でジャンプを繰り返すソニンは喜びを全身で表現していた。   

   


イリス「うぇ〜ん!

  デーメステーエル神様よがっだよぉ〜」


目から鼻から流れる水を全開にして号泣する

イリス


メリル「解放ですか、、、

    そう、なのですね」


ニアの言葉に何かを察したメリルは眼鏡を押し上げながら俯き涙する。



スレイ「がははははは!バンザーイ!

  デーメステーエル神様バンザーイ!!」


上を向き目から出る涙を気にする事なく一人でバンザイを繰り返すスレイ。

    


レイラ「うぅぅ、、

    デーメステーエル神様ぁぁ」


レイラはエプロンで顔を覆いながら妹のイリスと同じくらい号泣した。


それぞれが様々想いを抱きながら喜びを爆発させている中、

それを静かに見つめるニアと

そんな総長達を泣きそうな表情で見つめて

微笑むアリーシャ


それぞれが様々想いを抱きながら喜びを爆発させている中、


それを静かに見つめるニアと

そんな総長達を泣きそうな表情で見つめて

微笑むアリーシャ


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