第6夜・終着

 ぼくは、いつだって、どこだって、あの子のことをずっと見ていた。


 ぼくは、いつだって、どこだって、あの子のことが好きだった。


 だから。


 あの子のためなら、世界だって敵に回す。


 あの子のためなら、時空だって超えてみせる。


 でも。


 白い光が見えてきた。


 もうすぐ闇が終わり、光が始まる。





 ぼくは、いつだって、どこだって、あの子のことを守りたかった。


 ぼくは、いつだって、どこだって、あの子に生きてほしかった。


 だから。


 あの子のためなら、何だってくれてやる。


 あの子のためなら、死んだって構わない。


 だから。


 あの子が切符を出せなくて、よかった。


 あの子の切符を隠すことができて、本当によかった。




 「ユウちゃん、ごめんね。それから、ありがとう。最後に付き合ってくれて」

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METRO DREAMS 七臣 @naomii

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