十四話 暴走と終戦の大号令


まえがき


今回は、謎解き要素を入れてみました。

謎解きに慣れていない人も楽しめるレベルになっておりますので、楽しんでぜひ



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カーテンの隙間から朝日が差し込む。


「うぅーん」少し唸りながら、伸びをする。

そして洗面所に向かう。鏡の前の自分を見て驚いてしまう。涙の跡だ。

そして全て思い出した。


「俺は夢を見ていたんだな」

 自分に何が起きていたのかを理解したあと、朝食を済ませ、身支度を進めていると、スマホが振動してメールを着信したことを知らしてくれた。

カバンの中身を確認しながらメールを確認する。


「うん? 知らないアドレスだな、」

 誰から送られてきたかも分からないメールにはこう書かれていた。

 


「神田から始まったシナリオにはバッドエンドを。  タイムリミットは17時」

 


 と書かれていた。

もう少しスクロールすると一枚の写真が添付されている。

 その写真には、カードに番号とクラスメイトの名前が貼ってあった。

 上から順に、

 

 ① 加藤 美咲      かとう みさき

 

 ② 神崎 大翔      かんざき ひろと

 

 ⑤ 斎藤 大輔      さいとう だいすけ

 

 ④ 大谷 にに      おおたに にに

          

          、 


 ① 知念 優       ちねん ゆう

 

 ② 坂上 蓮       さかがみ れん

 

 ② 佐久間 健斗     さくま けんと

          、

 ③ 駒居 良太      かもい りょうた

 

 ③ 菊池 花梨      きくち かりん

 

 ① 馬楼 海斗      ばろう かいと

 

 ⑥ 相澤 凛       あいざわ りん

 

 ① 富沢 学       とみざわ まなぶ

 

 ① 大神 涼       おおがみ りょう

 

 ③ 小斎 みか      こさい みか

 

 ④、⑤ 成田 瞳     なりた ひとみ

 

 ④ 大野 文田      おおの ぶんた

 

 ⑤ 中村 司       なかむら つかさ 

 

 ⑥ 増山 ゆり      ますやま ゆり

 

 ① 篠原 真依      しのはら まい

 

 ⑦ 二階堂 祭      にかいどう まつり

 

 ここで、カードの写真の羅列は終わった。


 なんだこれ、なんの暗示だ。


正直朝から頭は回したくないので、ほったらかしにしても良かったが、神田の名前があるとなると、見過ごせないな。


少し考える。

 

 電車の中でも考えたが、なかなか答えが見つからない。

 

 この、メールを考えていたらもう放課後だった。


「もう、16時か」

 あたりは少しずつ暗くなっている。

神田にも身の危険が迫るかもしれないので一緒に教室で考えてもらっている。

 

         もう少し。もう少しで。


「あっ 少しやばいな」


「神田 少し急ぐぞ」と言って神田の手を強く握る。


「きゃあ 修一君は大胆だなぁー」

 神田が赤くなってるところ、悪いが付いて来てもらう。

俺は、神田が転ばないように少しずつ走るスピードを上げる。


「えっ なになにー」


「神田 さっきの謎が解けた」


「でもなんで こんなに走ってるのーーー」


「それはあとでまた説明するが、これから先俺から絶対に離れるな」


「これってもしやプロポーズ?」


「違うが 離れないで欲しいのは本当だ」


「あぁ 違うんだ」

 神田の声のトーンが半音下がった。


「でも 修一君が言うんだから離れないよ」


「助かる」

 話が終わると同時ぐらいに俺はスピードを落とし始めある部屋の前で止まる。

 

「ここって 物理室だよね」


「ああ そうだ」


「なんで物理室なの」


「入ればわかる」

 神田は、緊張した面持ちでうなずいた。


 俺は神田の意思を確認したあと、手を握って広い物理室の中に足を踏み入れる。我が校は学力が高く授業にも力を入れていて、設備は大学並みとも言える。


 後ろのドアから入ると目に入るのは、下に向かって席の位置が下がっている室内。イメージは大学の講堂に近い。

そんな広い室内の前の方に10人ぐらいの男と1人の華奢な生徒。

          

            

          そう、柑奈咲だ。



彼女は椅子に縛り付けられており、泣いている。


 俺は、すうっと肺に空気を入れて声を張った。

「俺が来た。 龍馬」


 そう言って俺は、柑奈咲の隣にいる龍馬に視線をずらす。


「くっくっくう 馬鹿か馬鹿だなお前」

 下品な笑みを浮かべ、大声でそう叫んでいる。


「なんで 俺が馬鹿になるんだ」

 どちらかというと、暗号も解いて来たし上出来ではないか。


「はあ お前にはここにいる奴らが見えねのかよ」


「もちろん見えてるぞ 視力は良い方だからな」


「ちっ 何度も馬鹿にしやがって」

 そして、龍馬は手下みたいに扱っている取り巻きに指示を出す。


「いけ 動けなくさせろ」

 龍馬は柑奈咲の近くに腰を下ろし楽しそうに戦況を見守る。

なんだあいつ。

すぐに出番が来るのに。

まあ こいつらに集中するか。

怯える神田の手を左手で握り、飛んでくる拳を避ける。左、右、遅いな。



こいつらはふざけているのか。


「お前らおふざけなら この辺にしといた方が良い 動けなくなるからな」


 と言ったが、飛び出してくるやつが1人いる。

名前は知らないが一年生だ。

体格とスピードがあり、学年では1番ってところか。

所詮猿山の大将だ。本物の俺にはどう足掻こうと勝てない。


彼は、自慢のスピードと長い足を有効活用した蹴り技で攻めてくる。

俺は迫りくる足を神田に気を配りながら下がって、避ける。


彼の目が光った。

勝てると思った時に人はこの目をするのだ。おそらく、次に大技がくるだろう。


目を瞑りカウントする。とっ、とっ、    ここだ。


「まだまだ甘いぞ」


俺は目を開いて大きく足を振りかぶった彼の懐に入り込み喉を付く。

「うえっ」

失神したようだな。


俺はゆっくりと龍馬をみた。


「おい 降参した方が良いぞ」


「ちっ クソが」

 そう言って龍馬は、ニヤリと笑った。

龍馬は手を振りかぶると、、、、、




 バッチインーーーー




 柑奈咲を思いっきり叩いた。


その瞬間、俺は怒りを抑えられなかった。


神田が後ろにいた事も忘れ龍馬に一直線。


手加減ゼロの右ストレートを叩き込む。続けてもう一発。さらに、さらに。


多分龍馬は気絶している。

それでも止められなかった。怒りが理性を上回っている。

頭に血が昇り続けている。


昔こんな事があった。

帰り道、葉優の頬が赤く腫れていることに気がついた。

「大丈夫か」


「うん 平気 平気」


「なら良いが」


こういうやつに葉優はやられたんだな。

平気で女子の顔に傷を付ける最低な奴に。

こんな奴らから葉優を守れなかったと思うと悔しさで自然と拳に力がこもっていく。


やばい このままだと殺してしまう。


 そう思った時だった。

自分の両頬に温かい2つの手が触れた。

「修一君 もうやめて」


「もう十分です」


 繰り出そうとしていた拳が止る。

不思議な力で手から力が抜けた。


俺は、顔が血だらけになった龍馬を見ながら我に帰る。


「俺は、、、、すまない。 

俺がやり過ぎたのは認めるがでも俺はやったことに後悔はない

先生に突き出してもらって良いぞ」


これで俺の高校生活も終わりか。


 と思ったが、柑奈咲は唇が切れても、なお美しい笑顔でこう言った。

 「やっと 見つけました。 私の王子様」

 

 あっ 完全に忘れてた。



「絶対に退学なんてさせませんよ 王子様」


___________________________________

あとがき


一章終了まであと一話。

謎解きは、書くことにめんどくさいと気づいたブレックファーストです。


謎解きの答え合わせは、また次回のお話で


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では、また

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