第十三話 こびり付いた記憶

明日に必ず展開が動く早めに寝よう。俺はまぶたを閉じ夢の世界に旅立った。

 

 

 

 

 

 _______________________


  〜修一の夢の中〜


 俺は夢を見ている。


自分の幼少期の頃を第三視点で見ているようだ。

「お父さん 僕ね将来はお父さんみたいになる!」

幼い俺が元気いっぱいに宣言する。


「おお 修一お前ならなれるぞ」

「本当!」

「ああ 1つお父さんから警察官になるためのヒントをあげよう」

俺の父は優秀な刑事いわゆるエリート警察官だった。


「欲しい!欲しい!」

「それは困ってる人がいたら必ず助けようとしろ 今は出来なくても良い。

大切な人を守らなければいけない時のために鍛えとくんだ 気持ちと技術を」


「うん 気持ち!技術!」

そのころの俺は技術なんて言葉の意味はわからなかったが、大切なことなんだと思っていた。



そんな幸せは長くは続かなかった。






その1年後俺の両親は俺を空手教室に迎えに来る途中交通事故で死んだ。




2人とも33歳だった。


俺は現実から逃げ出そうとした。

何度もそうしようとした時さっきの言葉が脳内再生される。


大事な両親を失って、俺はその両親の言葉まで捨ててしまって良いのかと必死で悩み決断した。

小学2生の夏、俺は絶対にこの気持ちは捨てないと神に誓った。


そして俺は親戚に引き取られた。

今の両親だ。


彼らは自分の血の繋がりがはっきりしている子供、俺の今の妹にばかり愛情を注いでいた。


 

基本的に、俺は隔離部屋で生活していた。


俺には毎日の課題がメールで送られてくる。

その課題の範囲は広くて、武術、学業、世間術、交渉術などと大変だったが、本当の両親に言われた通り技術を磨いているんだと自分に鞭を打ちながら頑張ってきた。


そして全てを飲み込んだ。自分のものにした。




そんな俺は中学に入って彼女が出来た。





彼女の名前は上条葉優 とうじょう はゆ 


彼女は凄い美少女ではないが、俺の幼なじみで親が死んで苦しんだりして苦しんでいる俺のことをよく知り、よく気遣ってくれる。



名前の通り優しい女の子だった。


そんな、幸せの色がつき始めた頃だった。





俺は階段を駆け上っていき、屋上のドアを開ける。


だが、遅かった全て遅かった。


彼女は一瞬こちらを見て切なそうにはにかみ

「ありがとう しゅうくん。  そして 支えてあげられなくてごめんね」

と頬に涙を流ながらしたに飛び降りた。


俺は彼女の手を掴もうと体を屋上から出したが、届かなかった。


俺はあと10センチ届かなかった。ほんの少しだけ届かなかった。


動けなかった。動かなかった。止めれたかもしれないのに。体が動かなかった。


そして、葉優の体から置いてかれた彼女の涙が口の中に入ってきた。

それは、それは、





葉優のような優しい味がした。



彼女は、             死んだ、、、、


葉優の近くには、有り得ないほど大きく、深い血溜まりができていた。



その血溜まりは、彼女が背負ってきた、苦しんできた。


その苦しさを表すかのように、、、、、、、、



そして、その血溜まりは今も俺の心の中で干からびることなく存在している。






葉優が自殺した理由はいじめだった。


当時の俺は何でもできるのを隠さず生活していたため、ファンクラブができるほど俺は人気があった。


そして、付き合った葉優には毎日のようにいじめがあった。


釣り合ってない。

しね。

消えろ。


毎日何十人もの人に言われ続けていたらしい。

それも1年近く。





それを聞いた時、俺は人間として崩壊した。全ての感情が消えた。




「毎日笑い合って帰った帰り道。

2人で仲良く遊園地にも遊びに行ってきたじゃないか」


いつも君は優しい笑顔で


「私はしゅうくんの彼女で本当に幸せものだなー」

「おい 恥ずかしいからやめろよ」


と何気ない幸せを感じてきたじゃないk、、


涙が溢れ出した。

前も見えないぐらい、涙が出た。


「何で、何で俺ばかり何もかもが奪われるんだ」

涙が止まらなかった。


一度も君の悲しそうな顔なんて見たことなかった。


それに比べて俺は、今日の課題は疲れたなんてくだらない事ばっか話していて、

いつも葉優になぐさめてもらってばかりで、、、、、、、、、

 

 

 

 俺って本当に無力だ。大切な両親、愛していた恋人。




もうその人達を傷つけたくない。大切なものを失いたくない。




そう思うようになってから、人との関わりを絶った。


課題もやらなくなった。全ての感情が働かないからだ。

両親は俺に家を継がせるつもりで、厳しい課題をやらせていた。


だが、フィラメントが切れて要らなくなった電球のように俺の存在もあの人たちにとって見れば、要らないものになった。



今の両親は、俺の高校入学と同時に拠点を海外に移した。

そして、俺も一人暮らしをするように強要された。





 俺ってもう要らないんだ。









優しい声が聞こえる。


「修一君と出会えて私は本当に助けられたよ」


「ありがとうございます。あなたはうちの学校ですよね」



最近かけられた感謝の言葉が、蘇ってくる。


いや、まだ俺を必要としてくれてる人が2人もいるからな。


もう少し、頑張ろう。



俺のためにも、2人のためにも




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あとがき


こんにちわ

ブレックファーストです。



今回の話は修一君の過去です。

彼にはこんなに辛い過去があって今があります。


みなさん

これからも修一君をよろしく頼みます!


ハート、フォロー、レビューもお待ちしております。

明日は、お休みになります。

よろしくお願いいたします。



では、また

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