ROUTE9 「みゆりちゃん」の家へ

 みやちゃんは、このあと「ばいと」へ行かなきゃいけないんだって。


 かいくんは、約束どおり「みゆりちゃん」を捜すお手伝いをしてくれるって。うれしいな。


 みゆりちゃん、ぼくをすっごく可愛がってくれたんだ。でもバイバイする時間になるたびに、元気のない顔をしてた。また会えたら、きっとまたにこにこ笑ってくれるよね。


 かいくんとみやちゃんと一緒に、みやちゃんの「ばいと」まで走ってった。


 みやちゃんは「じてんしゃ」っていう乗り物に乗って。かいくんとぼくはかけっこきょうそう! 走るの大好きー!


 てけてけ走ってると、色んなにおいがぐんぐんぼくの中に飛び込んできて、すっごくわくわくする。青い草のにおい。灰色の乗り物のにおい。いろんな人のにおい。


 甘ーい、おいしそうなにおいにつられてそっちへ走ったら、そのにおいの場所がみやちゃんの「ばいと」だった。ケーキ屋さん、なんだって。


 ケーキ屋さんで、おみやげにクッキーをもらったよ! ぼくが食べてもだいじょうぶなんだって。あとで食べようって、かいくんが預かってくれた。


 かいくん、さっきからちらちらと自分の手につけてるおもちゃを気にしてる。それを見ると、みゆりちゃんのおうちまでの道がわかるんだって。


 急に、そのおもちゃがぶーっと音を立てた。かいくんは、それをちょこちょこっといじったあとで、ビックリするような声を出した。


折賀おりがが、みゆりちゃんを連れ出してったー!?」


 それからまたちょこちょこいじって、


「折賀! お前、女の子と一緒にいるってほんとか? その子って……」


 しばらくごにょごにょ話したあとで、かいくんはぼくの前にしゃがみこんだ。


「折賀が――あ、折賀ってのは美弥みやちゃんの兄貴なんだけど。たった今みゆりちゃんと出かけたって言うから、追いかければ会えるかもしれない」


「ほんと? みゆりちゃん、どこにいるの?」


「えーとね。二人が向かってるのは――」



●・○・●・○・●・○・●・○・●・○



【どちらか選んでね!】


◆「片水崎かたみさき動物病院」へ行ってみる


⇒ROUTE11 「かたみさきどうぶつびょういん」へ行こう!

https://kakuyomu.jp/works/1177354054897049162/episodes/1177354054897224723


◆もう一度「片水崎第一小学校」へ行ってみる


⇒ROUTE13 「かたみさきだいいちしょうがっこう」へ行こう!

https://kakuyomu.jp/works/1177354054897049162/episodes/1177354054897224849

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