マリー(3)

ご主人様は無気力になられた


私はなにも出来ず ただ見守るだけ



お母様か亡くなられたときも

こんなになったという


姉さんは偉大だ


私では姉さんの足元にも及ばない




これといってなにも出来ないまま 月日が流れた。

その間 この家に人の訪問もあったり

ご主人様は病院にも通われた。




ご主人様は少しずつ

元気になられた。




いつだったか

ご主人様はこんなことをおっしゃった。


夢の中で

夢の中で、クロやマリー それにかぁさんと

いろんなところへ旅行している夢を

クロとマリーが砂浜でかけっこしている夢を

他にも いろいろお話ししてくれました。


相変わらず姉さんは ご主人様を困らせるとのこと。

夢の中でも姉さんは…

いや、姉さんらしいか。


でも、2人にはもう夢でないと会えないから。


ご主人様は寂しそうに語る







寒くなった。


今日はクリスマス

世間より2日早いクリスマス

いろいろあったけど

今年もケーキを食べた。


そして今から姉さんに

クリスマスケーキの差し入れ

食いじはってるから 早く持って来いと

姉さんまってるんだろうな。


外は雨

カッパを着されて 私はケーキを持つ

ヨダレつかないよね?



公園抜けて ボロっちい空き家に着いた。


ここが始まりの場所かぁ

家のみてくれや 降ってる雨にもかかわらず

私の心はあたたかくなった。


少し話して 姉さんにバイバイした。




家に帰りかけて間もなく

車が突っ込んできた




私はご主人様を奥に 突き飛ばしたと感じた瞬間

私は宙を舞った。



雨が降る

体に冷たい雨が降る


かろうじて起き上がり ご主人様を見る


全く動かないご主人様。


こんなときは そばから離れちゃいけないのだけど

私は人を探しに走った。



どれぐらい時間が経ったろうか


私は1人の女性を見つけた。


急いで近づくと

ケーキ屋のお姉さんだった。


私はお姉さんを引っ張って 来た道を戻る。

途中口の力がなくなって

離してしまった。


かなり走ってきたから

結構距離あるかも。


足が動かなくなってきた

気のせいか方向まで よくわからなくなってきた。


姉さん私に力をください

お願いします。

この人をご主人様の所まで

そこまででいいので 力を貸してください



私はお姉さんと急いだ





あぁ 

ご主人様が見えた。


私を置いて お姉さんはご主人様のもとへ。



私は安堵して 横になった。

私も側に行きたかったけど。



私の体に 容赦なく冷たい雨が降る

私はどうやら ここまでらしい


姉さん怒るだろうか

それとも 頑張ったわねと

褒めてくれるだろうか

でも、私なりに頑張ったのだから

素直に姉さんに伝えよう







姉さん 私頑張ったわよ


そうね。知ってるわ

だって見てたもの


姉さん 褒めてくれる?


あたりまえじゃない

あなたは あたしにとって

1番のいもうと


姉さん 1番はご主人様じゃないの?


マリー

あたしは いもうとっていったわよ?


なにそれ。

姉さん ちょっとズルい


あたしはね 昔からそうなの。

あなたも知っているでしょ?

それよりも お母様が待ってるから

早く行くわよ



はーい







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