箱に驚きと感動をいっぱい詰め込んで

近い未来、人は欠けた体の一部を機械で補う。耳や肺、さらには頭に至るまで。
ただどんなに機械が体を補ってくれようとも、人の心は変わらず多感なティーンエイジャーならなおのこと。

限られた場所、人という箱の中で精一杯生きる様を、いつかその箱が誰かに開かれる日を夢見る希望を抱く一人の少女の青春模様。
私が物語の中で印象に残った言葉として「ありがとうも、ごめんなさいも、一緒に言える言葉が、あればいいのに。」というのがありました。

この曖昧でなんとも表現しづらい感じが、まさに青春だなと思います。

人は外見がどんなに変わろうとも本質は人であり、友情や恋愛というものは存在し続けるのだろうと感じさせられました。

物語の中で感情の変化が静かに語られ、それでいて大きな変化が生まれる。読んでいて続きが気になる作品でした。
近未来の恋愛事情をぜひ覗いて見てください。

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