第3話

絵を描くのは好きだ。

ただ、色塗りがいけない。


はみ出したりしてはいけない。

塗り残してはいけない。


結果、ベッタベタになって、ゴミ箱へ。

そんな丸められた画用紙でゴミ箱が溢れるんだけど、

今となっては、そのゴミ箱を写真で撮って“苦悩”かなんか、程のいい題名を付けて

飾れば良かったとも思うのだが、そういう感じのお子さんでした。


チック持ちでして、病院に通って、取り留めもない会話を、その病院の若い先生とするのが定期的な催しでした。


いまでは、たまにストレスが溜まると、ちょっと仕草に出そうになる位で

チックは無くなりましたが、その先生との記憶は無くなりません。


まぁ、繊細だったんだろうね。


というと、皆んなに、「お前が言うな」と怒られますが…

…おかしいな。


絵描きは、早々に筆を置き、白衣に着替える事にしたのです。

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