青い小魚

孤独な青い小魚が 薄暗い水槽でうずくまる

世界中を見て回り 名を残す

そんな思いを漠然と抱いてきたが

ある時 小さな水槽に生きていることに気付く


罠にかかったのか

自ら迷い込んだのか 

いつからここにいたのか

小さな青い魚は思い巡らす


大海原を泳いでいたのは 夢幻だったの

海は己のもの そんな気分の時もあった

まわりで踊っていた 色鮮やかな魚たちはどこに行ってしまったの


小さな青い魚は周りを見回すが

薄暗い水槽の中には しなびた茶色い水草と己だけ

片隅で小さな泡が ボコボコボコ と白く連なり昇っている

孤独な青い小魚は 激しい動悸に襲われうずくまる


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