シーツ

ビリッツ、手をついたら小さな音とともに濃紺の敷布は破れた

長い年月ともに夜を過ごしたきみ

横たわり窓から眺めた月

足をカーテンに伸ばし隙間から浴びた朝日

少しずつ気付かぬうちに年老いていた


何人がきみの上に横たわり絡み合っただろうか

何人の汗をきみは吸い込んだろう

洗われる度に新たな気持ちで迎え入れてくれたきみ

そんなきみとお別れの時が来たのだね

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