第9話彼女もコロナで失職!?

 そういうと俺たちは座った。


「千種小学校か」

 まいちゃんは遠い目をしていた、多分俺もそうしていただろう。

「どんな思い出がある?」


「それはやっぱり、憧れのタカくんに避けられて一番傷ついたことが思い出かな?」

「そうか」

 そういうもんか?


「俺も初恋の人は小学生だったけど」

「うん」

「そんなに記憶に残っていない」

 そういうとまいちゃんはびっくりした。

「本当に!」


「ああ、マジで。というより初恋の相手は2次元のキャラだし」

「そうか、たかくん、ゲーム好きだったもんね」

「まいちゃんはゲームとかアニメ見る?」

「私は少女漫画を読むくらい。ゲームをすると言ってもパズルゲームをするぐらいだな。たかくんはRPG?」


「いや、今スマホで『ディフェンスアーミー』をプレイしている。タワーでフィンすゲームだけど、なかなか面白いよ」

「ふーん」

 まいちゃんは鈍色の瞳でうなずいた。


「変わったんだね、タカくんも」

「?まいちゃんはゲームとかそんなに好きじゃなかっただろ?」

 それにおずおずとまいちゃんは呟いた。


「実は、タカくんの昔やっていたゲーム好きだったんだ」

「まいちゃんと一緒にやっていたゲームと言ったら、EFTとかEF7あたり?」


「そう。それ見るの好きだったな。タカくんが悪戦苦闘しながら攻略することを見るの好きだった」

「そうだったんだ」


 意外だった。まいちゃんがそういうことん関心を寄せていたなんて、それを知るのが意外だった。


 てっきりまいちゃんそっちのけでゲームしていたから、まいちゃんもよく思っていなかったようで。私と遊んで、と俺の袖を引っ張っていたものだ。


「実は・・・・」

「うん」

「兄貴が今EFTやっているんだ」


「そうなの?」


「これは話してなかったっけ?俺、コロナで失職したんだよ」

 それにまいちゃんはブンブンと首を降った。

「聞いてない。タカくんも、コロナで失職したの?」

「も、って。まいちゃんも?」

それにコクリとまいちゃんがうなずいた。


「そうだよ。私も失職した。旅行代理店でね。主に西日本をカバーしている代理店だったんだけど、コロナの影響で首を切られた」

「あ、俺も居酒屋のアルバイトしていたんだけど、コロナの影響で真っ先にアルバイトの俺が首を切られた」

 それにクスリとまいちゃんが笑う。


「ど、どうしたの?今は笑う場面じゃないと思うけど?」

「いやだって・・・・・」

「うん」


「二人とも首を切られたっていうんだからちょっとおかしくて。ああ、こういう偶然もあるのかな?と思ったの」

「ふ〜ん」

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