第28話 細かい作業が続きます

 良い感じに骨から肉が分離し始めたので、小鍋の方から処理を始めたいと思います。

 菜箸で骨を取り出し、ラップをしいたバットの上に広げます。ちょっと冷めたら、まずは手で落とせる分は落としましょうか。それから歯ブラシで洗っていきましょう。後片付けが楽になるように三角コーナーの上でやっていきます。


 空になった鍋を軽く洗い流して、足の骨を煮ておきます。両足はちょっと無理がありそうなので、とりあえず片足だけです。


 水を流しつつ、手で撫でて落とせる分は落としていきます。これで大半は取れてしまいますね。あとは関節部に残った軟骨と細かい肉を指でつまんで取り除きます。この時点でもう終わりでいい気もしますが、丁寧に歯ブラシで洗っておきましょう。ちょっとだけ水を流しつつ、骨の一本一本を丁寧にこすります。関節部分は穴も多いですし、特に念入りにやっていきましょう。

 終わった骨はとりあえず空いたビニール袋に入れておきます。溜まってきたらパイプ用の洗剤に漬ける準備をしましょうか。どのくらいの濃度がいいんでしょう。


 お風呂に入るついでに骨を漬けるつもりです。濃度についてはいまいち分からなかったので適当にやってしまいます。出来上がりがきれいになる必要はないわけですからね。


 ゼリー状の洗剤を適当に二つのバケツに入れ、水を入れて、骨でかき回しておきます。ゴム手袋をするのも面倒なので、ちょうどいい長さですし骨でやってしまいます。そこから更に水を足し、骨を沈めました。お風呂に入ってる間はとりあえず脱衣所に置いておきましょう。

 一人暮らしですし、湯船につかることは高校生までより減ったのですが、やはりお風呂はいいものです。しかも今日は入浴剤付きです。


 お風呂上りの水分補給をしつつ、冷蔵庫と冷凍庫を見ていきました。冷蔵庫は脚と腕の骨の代わりに、今はばらばらの肋骨があるので、相変わらずあまりスペースはありません。その代わりに冷凍庫は少し余裕ができました。もうパズルのように組み合わせる必要はないでしょう。


 脚の骨たちが煮上がるまであと少しあります。今のうちに今日出た課題でもやっておきましょうか。いつもに比べだいぶ変則的な生活を送っているせいで、結果として真面目な大学生のようになってしまっていますね。



 脚の骨も同じようにやろうかなと思っていたのですが、どうやら軟骨まで丁寧に取り除く必要はないようでした。お肉さえどうにかしてしまえばいいようです。軟骨は漬け込みで柔らかくなるそうなのです。それも最初に調べたときに見たはずなのですが、すっかり忘れてしまっていたようですね。


 手でぽろぽろと落とし終えたら、骨を折らなきゃいけません。これだとバケツに入りませんからね。地下でのこぎりで切ってきましょう。

 ちょっと久しぶりな気がする電動のこぎりです。少し何かが引っかかるような音がありますが、特に問題はないようです。もしかしたら骨か肉の破片でも残っているのかもしれないです。綺麗にするときに一度ちゃんと見ているつもりだったのですが、もう一度掃除しておきましょうか。

 

 切り終わった骨を持って、台所に置いきたら、そのまま浴室に向かいます。そろそろ二時間ほどたちましたし、漬け込みは終わったでしょうか。軟骨と残った肉の処理のはずが、ほとんど残っていない状態で漬け込みましたからね。もう終わっているんじゃないかと思います。

 ゴム手袋で少し濁って脂の浮いたバケツの中から骨を一本取り出しました。端にゼリー状のものがくっ付いている以外は何もついていません。このゼリーが軟骨だったものでしょうか。これが肉であれ軟骨であれ、もう大丈夫そうです。取り出してしまって、洗い流しておきましょう。

 そういえば、この液体は普通に流してしまっていいんでしょうか。まあ、パイプ用洗剤なのでどちらにしろ流す先に入れるものなので、特に問題はないと思いたいです。でも多少不安もあるので、水も一緒にたくさん流しておきましょう。


 きれいにした骨は地下室で乾かしておきましょうか。上で乾かした方が早いんでしょうけども、誰かの目についたらいけませんからね。

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