第26話 飾るわけじゃないですよ

 とりあえずバラになっていた胃をきざみ終えました。夕飯をとり終えたら、土曜日の残りのお肉と一緒にハンバーグにしてしまいましょう。



 このまま夕食にしてしまってもいいのですが、ちょっと冷蔵庫と冷凍庫の整理をしましょうか。多少位置を組み替えたらちょっとは余裕ができるかもしれません。


 今現在、冷蔵庫にはお肉と骨とあとはハンバーグもどきがあります。こっちの処理は骨以外は終わりました。少し整理してやれば、ちょっとくらい何かを買ってくる余裕はあります。とはいえ、胃のハンバーグを入れておく場所は確保しておきたいのでまだそうする訳にもいきません。そういえば、冷蔵庫にほかの食べ物をいれる抵抗感はいつの間にかなくなっていました。原形も匂いもないわけですから、気にもなりません。

 ですので冷凍庫に手を付けたいところですが、何をやるにしても嵩を減らさないと戻すこともできません。ハンバーグもその週に捨てない分は冷凍しておきたいんです。捨てるまでここから出してしまっても大丈夫なのは骨でしょうか。


 骨の処理はどうするべきなんでしょう。最終的には砕いてしまうつもりですが、そこまでどうやって処理するかなのです。

 肉、骨、処理……それと匂いとかそんなキーワードで調べてみましょうか。あとは適当に増やしたり減らしたりしながら探していきます。いくらかページを移った先に骨格標本の作り方を載せているサイトを見つけました。これはいいかもしれません。寝る前にでも読み込んでおきましょうか。



 胃のハンバーグを作り終え、明日のゴミ捨ての準備もして、授業の準備もして、今はベッドの上でごろごろしながら骨格標本の作り方を調べています。


 煮てあらかた肉をとる。そのあとはさらに細かい肉を取るために入れ歯用のあのしゅわしゅわするやつか黄色のパイプ用の洗剤につける。これには入れ歯のを買うのも面倒ですし、一回使ったきりのパイプ用の洗剤を使いましょう。脂を抜く必要も漂白する必要もありませんから、この時点で乾かしてしまいましょうか。洗剤を使ってしまえば生っぽい匂いもなくなるかと思いますし、あとは形をなくすだけでいいでしょう。何か袋に入れた後にハンマーで砕けばいいんじゃないかなと思います。電動のこぎりでもいいかもしれません。

 帰ったらすぐにでも始めましょう。バイトはないですし、寝るまでに冷蔵庫の分くらいは余裕をもって漬け込みまでいくと思います。骨がぼろぼろになっても構わないわけですし、作業の続きは大学に行く前じゃなくて、帰ってからでもいいですよね。

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