第20話 雨の日に出かけたくはないです

 泥のように眠って、起きたのは午後一時を少し過ぎたころでした。


 昨日の夜に冷蔵庫から出してしまった牛乳だとか卵だとかを食べる勇気はないので、コンビニで買ったパンと水道水が今日のお昼です。大学帰りにまた何か買ってきましょう。さすがに今日中にあの冷蔵庫の中身をどうにかできるか分かりませんから。

 生理用ナプキンをいれた袋を二重にし、リュックにつめました。捨て終わったあとは少し時間を潰してから帰宅する予定なので、スマートフォンと充電器も持っていきます。暇つぶし用です。昨日から雨がずっと降っているので、一応スマホたちはビニールに入れておきましょうか。


 家から雨音を聞くのは嫌いじゃないですが、降ってる中出掛けるのは嫌いです。梅雨入りももうすぐでしょうし、こんな日が続くことになるんでしょうね。


 大学の図書館にはほとんど人はいません。まあ雨の土曜日にわざわざ大学の図書館に来る人なんて珍しいくらいでしょう。視界に入っている人に関しては自習目的が七割、昼寝をしている人が二割、スマホをいじっている人が一割といった感じでしょうか。平日だとこれが逆転して、ほとんどが授業の合間に寝に来ているなんてことになります。

 

 まずはこのまま一階のトイレに行きましょうか。そのあとは奥の階段から二階に行って、そのあとエレベーターで地下へと回ります。

 個室のゴミ箱に三、四個ずつ捨てたら、袋に残っているのはごくわずかになりました。これだけならあとは学務課のある三号館の一階のトイレに捨ててくれば捨てきれますね。


 帰りにコンビニによって夕食用のカップ麺と飲み物をいくらか買ってきました。本当はサラダなんかも買いたかったんですけど、冷蔵庫に入れられないとない上にこの気温だとちょっと不安ですからね。やめておきました。



 少し遠回りしてあのアパート前を通りました。珍しく窓が開いていて、窓枠に置いてあるビールが少しだけ見えました。



 玄関に一歩踏み込むといつもと違う匂いが鼻につきます。臭いとまではいかないのですが、間違いなく変な匂いです。これは扇風機でも出して換気を補助してやったほうが良いでしょうか。夕食後にでも出しておきましょう。

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