さよなら、ファンタジー

　考え込まれたであろう文章。愛国心ある登場人物たち。精緻に描かれる日常のワンシーン。
　それらはまるで文字であるというのに美しい絵画の様に、世界を物語る。

　私は何よりあらすじから既に引き込まれていたのだが、扱えば扱うほど身を滅ぼす力という魔法の設定が一周回って今までにない新規性があってとても面白い。
　大いなる力には大いなる代償が伴う。個人的に私がこういった話が好みであるというところもあるのだが、異世界転移などのファンタジーが増えたこの世の中だからこそ、この「さよなら、ファンタジー」は特に異彩を放っているように思える。
　ストーリーは未だその代償がどのように表れるのかというのを抽象的にし…続きを読む

今一番更新を楽しみにしている小説といっても過言ではありません。

斬新でありながら奇抜すぎず端正にまとまった設定に、丁寧なプロットがうかがえます。
1話が本当に巧くて、四千字程度の中に設定や舞台装置への理解と物語への期待が同時に成立している様は、小説書きなら誰もが唸るのでは？
完結を待たずにレビューしてしまいますが、これは間違いなく傑作です。
完結したらまたそのためのレビューに更新しようと思いますが、まずはこの作品が多くの人の目にとまりますように願いを込めて星を捧げます。