第37話 モンスター達が天下無双(前編)

 スピードグリフォンのワシルと、

 エンペラードラゴンのシェイガと、

 クイーンズドラゴンのシュリフォ達は、もはや空の覇者の如く成り立っていた。


 ワシルのカギヅメに捕まったワイバーンは空で首をひと思いに折る事をしている。

 シェイガはエンペラードラゴンらしく、巨大な炎の塊を無数に乱射する。

 しかも追尾機能が付いており、

 次から次へとキメラとワイバーンが地上に隕石のごとく落下していく。


 シュリフォは超高速で次の場所へ、そして次の場所へと移動する。

 ワシルのように安定性のスピードではなく、

 まるで瞬間移動している様に見える移動、

 それがシュリフォとしてのクイーンズドラゴンの役目、

 ワイバーンの後ろに瞬間的に移動すると、

 そのワイバーンお翼をムシリ取る、

 ワイバーンにとって翼をむしられるという事は死を意味しており、

 地上に落下しながら、


 きっとワイバーンとしての人生を終えるのだろう。


 ハイマンティコアは人間に近い様な顔をしており、

 尻尾からはサソリの尻尾がある。

 ハイマンティコアなのだから普通のマンティコアより大きかった。

 地上をかっぽするライオンの様なその群れ、

 ハイマンティコアは1体で戦うのでは無い様だ。


 ハイマンティコアの後ろには49体のマンティコア達がいる。


「みなのおのおおお、本気を出して、ぶっ倒す」


 簡単な言葉を区切りを大きくして叫び声を上げたハイマンティコアのスコーピは、目の前に突撃して行く、


 向かう先にいるモンスター達はどうやらケンタウロスのモンスター達で、

 ケンタウロスとは馬の体をして上半身が人間という奴だ。

 彼らは弓を構える。

 

 ライオンみたいでありながら1つの馬の集団の様になっているマンティコアたち、

 ケンタウロスはざっと3000体くらいは超える。


 3000本の矢が飛来する。

 

 その時マンティコア達は背中から針の尻尾を表す、 

 その時のマンティコア達は次から次へと尻尾で弓矢を叩き落している。 

 それも見切れない程の恐ろしいスピード。レベル10000だから可能とされる事だった。


 ケンタウロス達は唖然とマンティコア達を見ている。

 そして次の瞬間、

 ハイマンティコアであるスコーピが叫ぶ。


「者どもおお、皆殺しだああああ」


 彼らの先にはもはや餌食となるべくしてケンタウロスがいた。

 ケンタウロスの後ろには沢山の部隊がある。

 彼らは死を覚悟した様な表情になりながらスコーピ達に突っ込んでいった。



 そいつはふわふわと浮いていた。

 死神を超越した謎のモンスターである生死神、

 彼は生と死を超越したモンスターである。

 ふわふわと浮く黒いぼろぼろのローブ、

 きっとあのローブの中にある顔は恐ろしいものなのだろう、


 生死神は突如消えた。

 するとまるで死を宣告するかの様に、

 1体の敵モンスターの首を両断している。

 しかもリーダークラスなのか将軍クラスなのか分からないが、

 確実に目立つ奴を殺して、

 周りの配下達が気付く頃には、首が落ちている。

 

 生死神はただひたすら空にふわりと浮かび上がり、

 空から突如として死を宣告されるのであった。


 彼の名前はデスサイズ、彼にはふさわしい名前だと思う。



 そこでは喧嘩が始まっていた。

 ビッグラットのネズ公ことラットナイトは、999体の配下を引き連れている。

 彼等1体1体がレベル10000を超えている。


 喧嘩相手は、

 フォトンモグラのアスンことメガモグラだ。アスンには499体の配下がおり、

 彼等1体1体はレベル10000を超えている。


 その化け物同士が敵を前に喧嘩をしている。

 敵はその喧嘩の仕方がやばいので、手を出さずにいて、ただ観戦している。


 ラットナイトのネズ公は右手に剣を左手に盾を装備している。

 メガモグラのアスンは右手と左手に爪の装備をしている。


「だから言ってんだろうが、こいつらはネズ公の獲物だ」

「るせーこっちが先に見つけたんだろうが、こいつらはアスン達のものだ」


「なんだとてめーらは穴ほってタイミングよく出てきたじゃねーか」

「しゃーねーだろ移動は穴掘りなんだから」


「なんだと、おめーらはそれで卑怯だと思わねーのか、こちとらは矢の中をかいくぐって地上からあの獲物を見つけたんだよ」

「るせー、だからこっちが見つけたんだよ」


 2人が取り合っている獲物、

 それは雑魚ではない、

 非常に嫌われる種族、

 それこそが、


「「だからあのトロールの大群はこっちのもんだ」」


 ネズ公とアスン達はネズミとモグラのモンスターである。

 しかし大きさは普通のネズミやモグラよりは大きいとされる。

 それでも人間の足元にもいかない、

 それが彼らの10倍、いや20倍くらいのトロールの大群を前に喧嘩をしていた。


 一歩間違えればそこを突かれる。


 トロール達とて馬鹿ではなく、

 ネズミとモグラに突っ込んでくる。


「「こっちが喧嘩してるでしょおおおお」」


 ネズ公が跳躍する。

 そのジャンプ力は達人級のもの、

 次の瞬間には1体のトロールの体が吹き飛ぶ、

 剣を使っているのにも関わらず、その攻撃は衝撃波であり、

 隣では別のトロールの頭を両手の爪で握りつぶす。

 あまりにもむごい殺し方をする。


「「ちょっと待ってなさい、こっちが決着ついたらてめーら掃除してやっからよ」」


 最強のネズミと最強のモグラは喧嘩をしながら少しずつトロールを殺害して行っていた。


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