第36話 魔王軍の進撃を止める為に暴れます

 敵は120億体の魔王軍、

 こちらは1体で最強なモンスター達、

 冥王ブランディ―と玄武タートルマウンテンが俺様の両隣で守ってくれている。

 だけどその必要はないとにやりとほくそ笑み、

 モンスター達と一緒に前に出る。


 次に勇者とその幼馴染の超能力者が一緒に動き出す。


「てめーら覚悟できてるなぁ?」

【おう】


 その場の全員が返事をすると、

 120億体のモンスター達がこちらに突撃してきた。


 俺様達の前に出てきたのはテイムしたモンスター達のリーダーであった。


「少しは彼らの力を見てあげてください」


 そうクリエイトゴミスライムのキャプテンが言い放つ。


「そしてキャプテンの力も見てください」


 キャプテンはゴミスライムの形から人形になり、

 スライムのような剣を握り締めて、

 そこにスライムの英雄が生まれていた。


「者どもあいつらをやっておしまいなさい」


 なぜお姉さん的な言葉なのか理解に苦しむ中、

 モンスターのリーダー達が配下にお手本を見せる為に目の前に突撃して行った。


 その時は半信半疑だった、

 いくらレベルが10000を超えていようと、あの大群では叶うはずがないと、

 それは俺様の仲間を格下の様に見る愚かな事であった。


 ゴブリンソルジャーのコーブは短いぼろぼろの剣を構えている。

 目の前にオーガが100体乱入してくると、 

 コーブは仲間達にちっちと指を振り、


「こっから先はこのコーブに任せな」


 とかかっこいい事をいいながら、

 オーガが怒りの咆哮を上げる。

 100体のオーガがコーブをリンチしている。そう俺様は思った。

 だがそれは違った。

 オーガ達の体が次から次へと崩壊してくではないか、

 オーガ達はもはやパニックになりながらコーブは見習いのような剣を鞘にしまい、


「ふ、雑魚が」


 雑魚モンスター代表のコーブが笑っていた。


 俺様もそして勇者も唖然としている。


「ゴブリンってあんなに強いの? 勇者としての知識を変える必要があるね」

「それは俺様も思ったよ」


 次は真っ赤なスライムのブラッドスライムだった。

 その前には巨大な猪人間のモンスターがやってくる。

 その猪人間モンスターは300体がいた。

 猪人間はブラッドスライムのリールを見てげひげひと笑っている。


「そんなに雑魚呼ばわりしないでくださると助かります。こう見えて殺しの達人ですから」


 リールが不思議な事を呟くと、

 猪人間はまっすぐに突撃してくる。リールは体を消滅させていた。

 一体どういう事だと思ったら、それは飛沫となり、猪人間達に直撃し、

 猪人間達は次から次へと悶え苦しみ、血を吐き出し、そこにぶっ倒れる。

 それも300体同時に。


「病気、それがリールの力だぜ」


 再び俺様と勇者は呆然とする。

 もはや今繰り返されている惨劇は現実なのだろうか?

 それとも幻覚を見せられているのではないだろうか?


 冥王と玄武と玲子さんは全然平気そうにそれを見ているが、

 彼等にはゴブリンがどの様な生き物で、ブラッドスライムがどのような生き物なのか理解していない所がある。


 しかし俺様はモンスターテイマーとしての力があり、

 勇者には彼らを倒す為の豆知識的なものがあるわけだ。


「は、はは、病気ってそれ災害級じゃん」

「それは僕にとったら世界観がぶっ壊れる。ブラッドスライムは雑魚だと思っていたよ」

「それは俺様も反論のしようがないよ」


 次に視野に入ってきたのはボスバチと呼ばれるモンスターで、巨大な蜂の様に見える昆虫型のモンスターだ。ボスバチのリーダーの名前はメイヴと呼ばれ、

 メイヴは空を飛翔しながら、敵に片端からお尻の針を付き刺す事を辞めなかった。

 突き刺さったモンスター達はどろどろに解けていく、


「ちょ、え、ボスバチって針で刺したら毒になる程度じゃ?」

「だがあそこにいるボスバチは敵をどろどろにしているぞ」

「つまりレベルが10000を超えた時点で何かに覚醒してしまったという事だな」

「お、恐ろしすぎる」


 ざっと500体くらいボスバチが遊撃隊の様に暴れているようなものだから、

 沢山のモンスター達は必至に逃げる。

 メイヴのターゲットにされた者は、どろどろに溶けるという恐ろしい未来が待っている。

 メイヴの観察を終えると、次の観察に変更する。


 そこには巨大な木があった。

 その木はゆっくりとずるずると動いている。

 恐らく敵に向けて何かしらの表情をしているのだろうが、

 俺様にはその笑顔を向けている訳ではない、

 そいつはトレトレントと呼ばれるボンサイという名前だ。

ノーマルトレントのリーダー格となっている。


 ボンサイは木のふりをしながら敵のモンスターの中に入っていく、

 モンスター達は1体で一騎当千出来るのではないかというくらいのモンスター達への対応に忙しく、トレトレントであるボンサイの侵入には気づいていない、


 いつか見た小説の忍者というものを思い出させる光景だ。

 しかしボンサイは巨大な樹木だ。

 しかも1体しかおらず、ノーマルトレントは遥か後方でリーダーの暴れっぷりを眺めている。


 ボンサイの動きが止まり、

 次から次へとモンスター達が動きを止めた。


 ボンサイの力それは、


 次から次へとモンスター達が停止していった奴等が謎の動きを見せる。

 それがボンサイの根っこが彼らの体に突き刺さる事で、

 そのモンスター達を操作出来るのだ。


 魔王軍のモンスター達はパニックになりだす。

 魔王軍の彼等は突如仲間達がモンスター達を攻撃してくるとは思っておらず、

 そこにいた犬の様なモンスターであるコボルト達を次から次へと攻撃しだす。

 どうやらコボルト達は仲間意識が強く、なぜ仲間が裏切りだすのか理解出来ず。

 共倒れをしていく、

 ボンサイはきっと不気味な笑顔を浮かべているのだろうと思った。


 空を支配するモンスターがいた。

 そいつはスピードグリフォンというモンスターでワシルという名前だ。

 ワシルは空を飛翔しながら、目の前に現れるモンスター達を眺めていた。

 モンスター達は空の覇者である。キメラとかがいたが、まず恐ろしいのはワイバーンの大群であった。いくらスピードグリフォンで素早い動きが可能だとしても、

 ワイバーンはドラゴンより小さいが、それでも圧倒的な力があるのだ。


 その時だ後ろからまるで隕石が飛来してくる様にやってきた2つの塊があった。

 それはエンペラードラゴンのシェイガとそのパートナーでありクイーンズドラゴンの

シュリフォであった。


 そこで何を語れているかは分からない、

 ワシルとシェイガとシュリフォの相談で決まった事は、

 どうやら役割分担のようだ。


 空で戦いが始まる。

 それを俺様と勇者と冥王と玄武と玲子はただただ眺めているしかなった。

 いつかテイムしたモンスター達が満足したら、

 俺様達は戦いに乱入する予定だ。



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