第24話 やばい奴をテイムしてしまった気がする。

「これめちゃくちゃやばい地震だな相棒」

「これくらいの地震でへこたれてはいけないぞ相棒」


 普通の武器ではあの固い山のような甲羅を破壊出来ないだろう、

 それで俺様はあの巨大な甲羅を破壊する事をイメージして【魔剣召喚】を発動させていた。


 隣では冥王のブランディーが右手と左手で闇色の塊を出現させる。

 それをどんどんと大きな塊にしてく、


 まるで破壊を生じさせる未知なる玉を出現させているようだ。


 俺様は地面から出現する魔剣を掴む、

 その魔剣は巨大な黒黒しいハンマーであった。


「これって魔剣なの?」


 これは鈍器のような気がするが、

 先っぽには鋭利な部分が見える事から、

 どうやら魔剣という事で納得しつつも、


 俺様は再び走り出す。


 相棒の冥王は自分の10倍はするであろう巨大な闇色の玉を放り投げる。


 俺様は空気抵抗などないかのように、

 ジャンプをする為地面を思いっきり蹴る。

 

 その地面が巨大な穴のように陥没した事に驚きつつ、


 やはりレベル12000は凄い事なのだと再認識した。


 空中に飛翔しながら、

 

「相棒受け取れえええ」


「めちゃくちゃ困るぞおおおお」


 なぜか相棒の冥王は闇色の玉をこちらに投げて見せたではないか、


 何気にグッドポーズしてんじゃねーよとは突っ込めない。


 現在俺様はまがまがしいオーラを放っているハンマーの魔剣を握っている。

 つまりそれで跳ね返せという事か。


「うおおおおおおお」


 断末魔を上げながら、

 巨大な闇の玉を打つ。


「つーか直接タートルマウンテンに投げろやあああああ」



 俺様の悲鳴みたいな声に、

 相棒の冥王が相変わらず親指を上げ続けている。


「相棒の勇士を高めようと思ってな」

「思わんでよろしいいいいい」


 巨大な山に向かって闇色の巨大玉が爆発ヒットし、

 とてつもない衝撃波が生まれ、


 まるで爆弾を大量に爆発させてもこのような衝撃波にはならない、


 風圧で、俺様は吹き飛ばされそうになりながらも。


 雄叫びを上げて、タートルマウンテンの背中に到達する。

 魔剣のハンマーを振り上げて、

 振り下ろす。


 第2の衝撃が体を襲う。

 体がもみくちゃにされそうになりながらも、

 その衝撃に耐えて、


 だが無理で空中に放り出される。


 普通落下したら死ぬのだが、


 俺様の体はレベルのせいか頑丈であり、

 地面に頭から突っ込んで串刺しになった。


 息が出来ない状況で、

 死を覚悟すると、それを引っこ抜いてくれた相棒の冥王がいた。


「どうやら沈黙したようだ」


 そこにはタートルマウンテンが動かなくなっていた。


 まるでびくびくとしているかのように、


 そしてアナウンスみたいな物が流れる。


【玄武タートルマウンテンを眷属モンスター事仲間になりました。おめでとうございます】


「ちょ、ええええええ、嘘でしょおおおおおおおおおおおお、いくらモンスターテイマーだからってつーか玄武って伝説の奴じゃねーかあああ、こんな巨大な奴を従えて歩いたら大惨事だぞ」


【人間よ、我は玄武、腹の中の食べ物が刺さって暴れていた。いつもは寝ているのだが、ちょうど一億年だから目覚めて暴れて攻撃を受ければなんとかなると思ってな】


「そんなしょうもない事で街を滅ぼそうとしないでくださいよ」


【面目ない、そこにいるのは冥王のようだが】


「ふん、まさか玄武のおっさんだとはなぁ」


【ふふ、気にするな、そこの人間よ、わしを従えるとは只者ではないな】


「残念ながら只者ですよ俺様は、そもそもあなたを仲間にしてもその巨大では」

【安心しろ、体を小さく出来るし人型になることもできるぞい】

「では人形で」

【うむ、よろしくな】


 山のように大きな玄武のタートルマウンテンはみるみるうちに小さくなっていく、

 


 そこには少し大柄な老人がいた。

 緑色の髭と髪の毛をしながら、体を甲羅のようなローブをまとい、

 大きな杖をつついている。


「意外と普通なんだな」

「そうじゃな、以外と普通じゃ、わしは基本的に魔法使いみたいなものでな」

「それならとても助かるよ、でもなぁ、この他にも七つの大罪もいるし、これってさ、1つの国を亡ぼせるだけの武力じゃね?」


「うむ、それはオレも思うぞ」


「そうじゃのう、その時は滅ぼすかいの?」


「いい加減、そのついでだから滅びしちゃおうっていう考えはやめてくれ玄武」

「ふ、そういう物じゃわい、さて、わしを鑑定してみんか? わしも気になるのじゃ」


「あ、それなら冒険者ギルドで鑑定してもらおうよ、玄武も冒険者になってほしいし」

「冒険者か、それはわくわくするぞい、このご老人には溜まらん物があるのう、ふぉふぉ」


 かくして俺様モードから僕モードに変更する。

 僕の心はいつでも穏やか、俺様の時よりかは怒りなどそういった激情にかられる事はないのだ。


「ふう、戻ってきたようね、討伐完了おめでとう、これ報酬ね」


 沢山の金貨が入った袋を渡されると、

 それをアイテムボックスに仕舞う事を忘れずに、


「で、そこの老人は誰?」


 なんか受付嬢の人が僕と仲良くなりすぎて、ため口になっている気がするが、

 1人の仕事人としてそれはいけない気がするが、

 しかしため口になるという事は今後色々と助けてくれるだろうし、

 ここはぐっとこらえて我慢しよう。


「彼は玄武です。彼を鑑定してください、僕が鑑定すると二度手間になるので、お願いします」


「まったく、じゃこっち着て」


 老人が軽く鑑定されると、

 しばらくして、


 受付嬢の悲鳴があがる。


「あんた。タートルマウンテンを討伐するんじゃなくてテイムしてどうすんのおおおおお」

「あ、ははは、面目ありません」


「あんたの仲間達はほぼ1つの国以上の武力ですよおおお」


「それはどうも」


「誉めてないぞおおおお」


「それは嬉しい」


「どっちやねんんん」


「先程から喚いていないで、鑑定結果を見せろ、女」


「冥王はもう少し謙虚になりなさい」

「ふん」


「じゃあんたら玄武さんの鑑定結果です」


==========================


名前:玄武タートルマウンテン

職業:大賢者

サブ職業:魔法書製作

レベル10000

攻撃力15000

防御力40000

素早さ100

器用さ30000

知力 50000


スキル 

【伝説魔法】失われた伝説の魔法を使える

【亀モード】タートルマウンテンの姿となる

【絶対防御】全ての攻撃を招き寄せて受け続ける。圧倒的な防御力

【MP回復】少しずつMPを回復させていく。常時発動

==========================


 受付嬢はその紙を回収すると、

 彼女は玄武に告げるのだ。


「あなたもランク外冒険者よ、前代未聞よ同じ冒険者ギルドで3人のランク外冒険者が出来るのは、さらにランクSSSSSが7人もいる冒険者ギルド、あれですか、世界を統一でもするんですか、ツッコミどころがありすぎますわ」


「安心してくれツッコミ嬢、こっちは何も考えてないから」


「誰が突っ込み嬢よ、つーか何かを考えなさい、このとんでもないパーティーメンバーなんて聞いた事ないわよ」


「は、はは」


「失笑している場合じゃないでしょ、七つの大罪の彼女達はまだ食ってるわよ」


「ふぉふぉ、七つの大罪と聞いていたが、やはり美女ばかりじゃのう、彼女達がゴミダンジョンに追放されてから相当な年数がたつ、食べ物の魅力にはまったのじゃろう、彼女達には後でわしが伝説魔法のテレパスで色々と伝える事が出来る。本題に入ろうではないかのう受付嬢の娘さん」



 受付嬢の女性はこくりと頷く、

 彼女の顔が先程のツッコミモードではなく、

 冷静沈着になった。


「実は……」


 そこから先はとてつもなくやばい話だった。

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