第45話 幼馴染に住所のバレ

「「行ってきまーす」」


「行ってらっしゃい。」


 家を出て、学校に向かってあるき出した。


「で、大丈夫?日向。体調とか。」


「あ、うん。まぁ一昨日とか昨日とか、日陰がプリンとかゼリーとか買ってくれたからかな?ありがとう。」


「……ど、どういたしまして……。」


 いや、絶対に僕だけのおかげじゃないからね。っていうか、大半の理由は、詩織さんとかが看病していたからだろうし。


「あ、あともう1つ。僕のノートとか貸していたんだけど、それ、わかり易かったかな?」


「あ、うん。本当にすごいよね、日陰。すごい分かったよ。」


「良かったー。」


 もし、わかりにくいとかなったら勉強がついて行けなくなりそうだし……。


「あっ……。」


「ん、何?」


「そういえば何だけど、凛と言って……僕の幼馴染がここに転校してきたんだよ。」


「えっ……幼馴染なんていたんだー。日陰って、幼馴染いたんだね。もしかして、恋の始まりなの?」


「なんでだよ。それに、なんで詩織さんと同じことを言うんだよ。」


「詩織さん……ってあのメイドか。最近、あの人とも仲いいよね。日陰って……なんか地味だけどモテモテじゃん。」


「いやいや……。」


 そして、その後に幼馴染のはなしだったりと、いろんなことを話しながら、僕は学校へ向かっていった。


 その時、僕は知らなかった。


 僕の後ろに凛がいたということを。そして、僕が日向と学校に行っているところを見ていたということを。





下校時間


「あ、そういえば何だけど、幼馴染さんと帰らなくても良かったの?」


「まぁ、今日はいいよ。」


「本当に?本当はすごく一緒に帰りたかったんじゃないの?だって……えーっと小柳さん?すごい可愛かったじゃん。」


「まぁ………そうっちゃ……そうだね。」


「おぉっ!もしかして浮気なの?私のことをかわいいって言ってくれたのに……うっ……うっ……。」


「いやいや、……まぁ、言ったことはあったような気がしたけど……もう忘れた。そして、この話は終わり!終わりだよ、終わり!」


「ふふっ。じゃあまぁ終わりってことで。」


 そして、僕と日向は水谷家の家に入ろうとした。


 その時のことだった。


「えぇぇええええ!!!」


「「うわぁ!」」


 僕が日向と一緒に家の中に入っていこうとする瞬間に、なにかすごい大きな大声が聞こえたのだ。


 びっくりして振り向いて音のする方を見てみると、そこにはすごい顎が外れているんじゃないか……っていうくらいに口を開いて驚いている凛が居たのだった。


 やば……。


「日陰……どうして、ここに入ろうとしているの?」


「あぁ……えーっと……。」


 僕が、どう言えばいいのかわからなくて、戸惑っていると、日向が代わりに答えてくれた。


「あ、日陰の幼馴染じゃん。こんにちは、凛さん。日陰はね、ここでバイトしているんだよ。」


「バイト……?」


「うん。私のおばあちゃんの命の恩人でね、それでバイト探ししていた日陰に、ここで働かないかってさそって……。」


「で、ここで働いているんですか?……もしかして、じゃああなたは……ここに住んでいる人なんですか?」


「あ、うん。私の名前は水谷日向だよ、よろしくね。」


「あ、よろしくお願いします。あのー……」


「なに?あっ、とりあえずこの家に入ってよ。それで、女子会しない?家で女子会って、同級生とだと、あんまりしたことないからね。」


「えっ……いや……。」


「さぁさぁー!」


 そして、少し強引気味ではあるが、日向と凛は、女子会をすることになったらしい。


 まぁ、とりあえずお菓子とか持っていたほうがいいよね。……そういえば、執事の仕事をするのなんか、久しぶりなきがする。旅行とか……中間考査とか……そして、看病とか……。色々あったもんな……。


「「ただいまー。」」


「し、失礼します……。」


「おかえりなさい。……あら、その子は?友達かい?」


「いや、日陰の幼馴染らしいよ。小5のころに凛さんが引っ越して、で、別れちゃったらしいよ。」


「お、もしかしてこれは、ラブコメの始まりかな?」


 ……なんでここにいる詩織さんだったり、日向だったり、おばあちゃんだったりは、そう考えているのかな……?


「じゃあ、僕は着替えてくるから。」


「あ、うん。オーケー、とりあえず、なんかお菓子持ってきてー。」


「うん、わかったよ。」


 そして、2人は手洗いうがいをしたあとに、日向の部屋に向かった。


 僕は、2人と同じように手洗いうがいをすませると、執事の服に着替えて、キッチンの方へ向かっていったのだった。





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地味な僕でもクラスの中心人物の世話係になることはできますか? 一葉 @ichiyo1126

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