第39話 中間考査対策 2

 今日の勉強会は終わり、僕は自分の部屋に戻ってきていた。


 それにしても……1度、軽く実力をはかるためにテストをしてみたんだけど、まさか0点になるなんて……。


 僕は、少しびっくりしてしていた。あまりにも、テストの得点が悪かったのだ。


 そして、もう1つ驚いたところがあった。


 それは、理解度の速さだ。


 テストでできなかったところも、僕がポイントを教えてあげると、ちゃんと理解してくれるのだ。


「これなら、このままいけば、中間考査のときにはある程度理解してくれそうだ。」


 そして、そんなことと、それに、これからの予定のことを考えながら、眠りについたのであった。




 翌日 ホームルーム前


「ねぇ、テストはどんな感じ?ちゃんとできそう?」 


「うん。なんか、こんなに勉強が楽しいと思えるなんて……。日陰は、やっぱりすごいね。」


 自信があるからか、すごい笑顔で、僕の質問に答えてくれた。多分、よほど自信があるんだろうな、と、僕は思う。


 …………まぁ、こんなときだし、可愛いとか考えてしまったら、僕はやばいやつだって、思われてしまいそうだから、そう思ってしまったことは言わないでおく。


「いやいや、そんなことはないよ。」


「おーい、ホームルームを始めるぞー。」


 そんなことを話していると、先生が教室の中に入ってきた。


 少し、なにかイジワルそうに笑っていたために、多分テストのことを考えているのだろう、と予想がつく。


「起立、姿勢、礼。」


「「「「お願いしまーす。」」」」


「はい、今日は何をするか分かっているよな。テストをするぞ。今、勉強をしている人はやめろー。」


 そして、テスト用紙が全員のもとへわたると、そのことを確認して、みんなに向かって、先生が声をかけてきた。


「じゃあ、今から制限時間は10分間だ。よーい……………始め!」


 ザッ!


 カッカッカッカッ……。


 裏返しにされたプリントを表にする音が響き、その後にシャーペンで名前を書く音が響いた。


 えーっと……ある程度は見てみたけど、これなら日向でもできそうだな。教えたところと全てがかぶっているわけではないけど……。


 でも、ある程度の基本は教えているので、日向が頑張れば、なんとかなるという程度だな。


 ……っと、僕もちゃんとテストに取り組まないと。


「はい、止めて。」


 そして、テストの問題を解きつづけて、だいたい10分程経ったとき、先生の大声が響いた。


 さっきまで静かになっていたからか、すごく響いて、びっくりしてしまった。


「じゃあ、隣の人とテストの用紙を交換してくれ。」


「「「「はーい。」」」」


 えーっと、日向の答案は、どれくらいできていたかな……おぉ、よしっ。


 ちゃんと、僕が教えているところは解けているな。でも、応用の部分が少しまだ理解できていないかったか……。


 それなら、今日の勉強会は、基本はある程度理解してくれているから、とりあえず応用を教えることにするか。




 2日目 ホームルーム前


「昨日に教えたところは、ちゃんと理解できたの?」


「うん、まぁ応用とかはよく分からないけど、基本はね。」


「良かった。でも、テストのときには、ちゃんと応用も覚えないといけないよ。」


「うぇ……。勉強が楽しいって言っても、限度がちゃんとあるんだからね……。」


「まぁ、そ……。」


 僕が、とりあえずなにか応援したほうがいいかな、と思い、言おうとすると、先生に遮られた。


「おーい。じゃあ、そろそろホームルームを始めるぞ。立っている人は席につけ。」


「「「「はーい……。」」」」


 そして、その後も同じように挨拶をして、テストを受けた。


「はい、止めて。シャーペンを置けよー。」


 今回は、昨日のテストよりもいい点数を取ることができた。


 そして、今日の点数を明日は超えて。明日の点数を明後日が超えて。


 それを、勉強会を繰り返すたびにテストの点数が良くなっていって、これだったらいい結果をだせるだろう、と僕は思うことができた。


 そして、いつの間にか前日の夜になっていた。


「おーい、勉強会を始めるぞ。はいはい、おやつを食べる時間を終わりにしてー。」


「はーい。」


「今日は、最後の……まぁ、この中間考査対策としては最後の勉強会だ。だから、頑張ろう!」


「おー!」 


 その後、勉強会を終わりにする時間になった。


「はい、終わり。じゃあ、明日の中間考査、頑張ってね。もし、僕を超えられたら、なにかしてあげよう。」


「おー!やる気出るね。なら、もうちょっとだけ勉強を続けておくよ。」 


「頑張ってね。でも、夜ふかしをすると、テストのときに集中できなくなるかもしれないから、早めにね。」


「はーい!」


 そして、僕は自分の部屋に戻って、眠りについたのだった。

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