第34話 日向との泊まり旅行 6

「ただいまー。」


 ホテルまで戻り、僕と日向の部屋に一歩進めると、僕は、帰ったことを知らせるために声を発した。


 すると、戻ってきた僕に気づいたようだった。その後、僕が買ったものが何なのか気になるようで、何を買ったのかを聞いてきた。聞いてきた。


「あ、おかえりー。ファーストフード店でどんなの買ったのー?」


「えーっとね、近くのファーストフード店で九州限定のハンバーガーとか色々あったから、そこらへんをまとめて買っておいたよ。」 


「おー!ありがとー!なんかよくわからないんだけど、限定っていう言葉、いいよねー!」


 良かったー!


 いや、まぁさすがに僕が買ってきたので文句は言われないとは思っていたけど……。


 でも、限定っていう言葉を日向とかの女性はすごい好きそうだなー、とか思って買ったのが成功して良かったー!


 ……まぁ、僕も、新しい感じだから食べてみたいとは思っていたけど。


「それで、このハンバーガーとかを食べたら、次は何するの?」


「ふふっ、それはねー……!」


「……?」


「日陰がファーストフード店で晩ごはんを買っていた間に、私がDVDを借りておいたのでした!」


「えっ、そうなんだ。それにしても、外行きたくないって言っていたのによく行けたね……。」


「いやいや、外に出てないよ。このホテルで貸し出ししていたからね。」


「へー。でも、そのDVDはなんのやつ?どんな感じの映画なの?」


「えーっとね、ホラー系……かな?」


 えー……!?日向ってホラー系を見るのかな?


 日向は、僕の中では今まではいつもきちんとしている憧れの女子高校生……いや、それは昔のことだから女子中学生ね?まぁ、そうだったんだけど……。


 でも、最近では、遊び心が結構ある子供みたいな女子高校生っていう感じになっているよねー。


 そのために、日向はなんとなくなんだけど、……いや、偏見なんだけど、アニメ映画とかを借りると思っていたんだよなー。


 だから、ホラー系の映画を借りるなんて意外なんだよな。


「えっ……!?なんで、こんなところでホラー?」


「いや、せっかくホテルに来たんだからホテルに関係するのでも借りようかなーと思っていると、このホテルを題材にしたホラー映画があったもんで……。」


「あ……そう……。」


 でも、借りてきたものは、もうしょうがないのでとりあえず見てみることにした。


「どんな感じなのかなー?僕、ホラー系の映画は初めてなんだよね。結構その絵から見るに怖そうなんだけど。」


「うん、私も初めてだよ。だから、結構私も怖そうで今からビクビクしているよ。怖いの苦手なんだよね。」


「えっ……!?……なら、なんで苦手なのにホラー系の映画を選んじゃったの……。」


「いや、だって……。」


「あ、そっか……。」


 せっかくだから、っていうことでホテル系の映画を選ぼうとしていたんだっけ……。


「あ、じゃあちょっと用意するから待っててね。」


「あ……うん、分かった。じゃあ、こっちで晩ごはんの用意も済ませておくよ。」


「分かった。ありがとー!」


 そして、僕は小さなポリ袋からハンバーガーやらなんやらを取り出し僕の分と日向の分を分け、まとめて置いた。


「「用意できたよー」」


「「おー……。」」


 僕が、晩ごはんを用意した時間と、日向がDVDを用意した時間がちょうど同じだったために、ちょうど声がかぶってしまった。


「じゃあ、晩ごはんをたべながら映画を見る?」


「あ、うん。少しお行儀が悪い気がするけど、まぁ今日は特別ってことでいいんじゃないかな?」


「やったー!よくわかってるじゃーん!」


「ふふっ、一応特別なんだからね。」


「ありがと。」


 そして、テレビの向かい側にドンッとおいてあるソファーの上に座ると、日向がリモコンを持ってテレビの電源をつけた。


 そして、ビデオの状態にして、片手にハンバーガーを持ち、ホラー系の映画を見始めた。

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