第22話 聞けば聞くほどろくでもない
ちょっと調べてみたが、こんなもんを信じるやつ、脳が溶けてるんじゃねぇか?と思う。割と
手口はどうも、USBに仮想通貨(らしき)データをいれて、売るというものだ。
なんでも「仮想通貨取引所に上場予定の特別データ」で、「上場すれば数十倍」になること確実!さらに、これを知合いに売ることで紹介料が入る、というものらしい。
知合いに売る=流通量が増えるのでそれだけ認知度が上がって、上場時の利益が増える。だから、報酬がでるんです!さらに、その知合いがさらに通貨の「認知度」を広げれば、それがボーナス!と、こうである。
アホか、お前ら。
「需要」と「供給」から成り立つ、基本的な経済原則を思い出せ!一人二人に売りつけたことで得られる認知度と、それによって新たに生産される通貨量による価値(希少性)の下落、どっちがでかいと思うんだ!?
ってか上場が確実なら、ネットとかで証券会社がバンバン売ればいい。それができないということは、金融商品取引法上の、「顧客保護をする必要がある」、リスクが高い案件であるということだ。中には本物もあるが、こういった投資はまさにハイリスクハイリターンの、修羅の世界である。
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「どっから手を付けっかねぇ・・・」
ネタは確かに極上かもしれないが、最新のものを拡散力が早い学生×ネット(SNS)で広がっているとなると、なかなかに手が出しずらい。
かといって、ここまでで集めたネタを雑誌に売り込んだところで鼻で笑われるのがオチだし、消費者センターに垂れ込んだところで自分には一銭の利益もない。人助けも結構だが、俺は飯を食って生きていかねばならんのだ!
「かといって・・・ネタ元に電話して、なんか方法あるか?って聞くのもなぁ」
付き合いが長いからわかる。
聞けば答えてくれるが、こうやって振られた案件で手助けを求めると、120%誘導したい方向にもっていかれる。
ギブアンドテイクといえば聞こえはいいが、やっぱりなんとなく面白くないし、何より悪魔と金銭以外で契約すると、寿命が縮むような気がする。
なにより早期ギブアップは、情報で飯を食っている人間としてプライドが許さない。
「とりあえず、SNSであたりを付けるか・・・」
出待ちして通報されるか、苦手なSNSを使うかの二択なら、後者を選ばざるを得ない。事件ライターが桜田門のお世話になるとか、笑えない。笑い話にはできるかもしれないが。
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