第5ステージ

第5ステージ 1 11月

 ともかく、また毎日が始まる。

 ノーベンバーラプソディーなんてタイトルにしようかと思ったが、狂詩曲のような日々でもなく退屈な日常が続く。


 ああ、これだけは狂詩曲みたいなやつだったか。

「おはよう、準君。三好君にこれを渡して。」

 狂った幼馴染がやってくる。修学旅行では発情していたのか何なのか。香恋ちゃんに相当絞られていたらしいと聞いた。

「修学旅行で騒いだらしいんだろ。なら自分で渡してくれ。」

「えー。防衛隊が私の邪魔をするの。」

 ついに接近禁止命令でも出たのかこいつ。

「ともかく、自分で渡せ。」

 そういったやり取りの後、自転車のかごを見るとごみが置いてあった。

 ごみはごみ箱にすてなければならないな。

 今日は苫小牧に運ばれるのだろう。



 毎日の退屈な日々が始まる。

 相変わらず早良さんはかわいいよ。

 でところで早良さんかわいいよで何文字文字数を稼いだのでしょうか。

 お答えください。



 昼の早良さんかわいいよタイムこと図書室にいると、若林がやってくる。


「私を見捨てていった修学旅行は楽しめましたか。」

「何の話だ。」

 そもそも、この話ではお前と謎の遺跡堀りに行ったんだろうが。

 それ以前に修学旅行なんか行っても楽しくないだろう。

 早良さんかわいいよできるのが唯一の救いだろうが。


「異世界ではお楽しみでしたね。」

「知らん。俺は異世界人ではないし。」

「ところで私が主役のスポーツコメディは一体いつ始まるのですか。」

「筆者が死ぬころじゃね。知らんけど。」


 この話そのものはまず、第1ステージで完結するのがとりあえず収まりのいい話だったのだろう。

 それ以降は蛇足みたいなものだし、読者の方も苦痛極まりない文章を読まされても仕方がない。


「藤倉さん。これからも働いてくださいね。私のために。」

「どうしたんだ藪から棒に。」

「とりあえず言いたくなったんで。」


 こいつがこんなことを言い出したのだからそのうち猛吹雪にでもなるんだろう。


 くだらない漫才を続けていると昼休みが終わる。

 早良さんかわいいよタイムは終了する。

 相手にするのは疲れる。




 放課後になるとくだらない講習を受講しているしょうもない連中を尻目に早良さんかわいいよと一緒に図書室に行く。

 予備校までの時間つぶしらしい。


 まあ将来も考えなければならなくなったし、予備校に行くのかほかの道に行くのか考えなければならない。そうこうしているうちに早良さんは帰る時間になった。

 早良さん帰っちゃうよ早良さん。

 まあ、そんなこんなでこれからも人生は続いていくのだろう。



 帰り際、進路についての話となる。

 早良さんは大学に行くらしい。そらそうだ。

 俺は周囲が大学に行けというから大学に行かされるようだ。

 学部も文系も理系もへったくれもない。

 琉球とか、九州とか行っても面白そうだ。

 早良さんはあえなくなるけれど。



「将来どうなるんだろうな。」

「わからないよ。」

 適当な問いかけにも早良さんは返してくれる。

 早良さんかわいいよ早良さん。


「一つだけわかることは、この状態が一生続くことはないだろうな。」

「そうだね。」



 とりとめのないことを話して、彼女は予備校へ行った。

 俺は電車にひかれない限り、卒業まで早良さんかわいいよする日々は続くだろう。



 第5ステージ短いけど続くかもしれない。









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

チクコイ Tonny Mandalvic @Tonny-August3

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ