第4ステージ 2学期編 第3ステージ
謎のモノローグが終わったところで家に帰ったとしても何も状況は変わらない。
ともかく労働禁止なら若林と一緒に遺跡発掘+ごみレポート課題実施、労働可能なら可能な限り資金を作ってどうするかという話でしかないのだが、基本的に労働不能なので、前者となるのだが、香恋ちゃんは俺を学校に残すのは課題を出すのが面倒なのか残したくないようである。
おそらく時間切れで遺跡発掘コースになるだろうが。
1日2日考えても結論は出ないだろうし、資金を工面できないし、勉強の邪魔になると称して労働させないのだから、居残りコースにさせてくださいと結論を了解させに行くこととする。
まあ、修学旅行に行けず、早良さんかわいいよできないのは心残りだが、かといってそれ以外に興味がないのでどうでもいい。
「俺はどこに消えた。」
ああ、三好いたな。ただあいつは俺がいなくてもそれなりに楽しめるだろ。
たぶん。
再度香恋ちゃんのところに金がないので居残りさせろと言いに行く。
香恋ちゃんは、要約すると無理ですという。
じゃあどうすれば金を工面できるのか、行かせたいなら金をくれるのか(借りたって返せる当てがない。)と騒いでやる。
もうしょうがないから親と話をつけろと言ってやった。
ああもう、職員室で異常者見る目で見られるし。
まあ今日も労力を使ったので早良さんかわいいよタイムは癒しのときである。
金さえあれば、金さえ稼げれば早良さんかわいいよタイム@琉球ができたのにと思うと非常に悔しい。
早良さんかわいいよタイムが終わると呼びつけられる。
香恋ちゃんも結局観念しただろ。連れて行くためには労働許可を出すか、自分が代金払うかするしかない。また、労働がうまくいかなかったときのために、自習課題も必要だろう。
とりあえず労働許可は出たが、香恋ちゃんの冷たい視線及びほかのくだらない自称進学校の課題量を完璧にこなしてかつ時給600円で10万円を工面するのは不可能だと思った。
労働許可を出した不満そうな香恋ちゃんに話す。
「アルバイト先を探そうと思いますが、あなたの望む通り修学旅行に行くのは難しいと思います。」
と話す。
「何とかしなさい。」
「無理だと思います。親とどういう話をしたんですか。」
「あなたのお母さんと話したら、金を妹さんの学費及び交通費に振り替えたから難しいという回答だったんだけど。」
「そうですか。」
「行かせたいといわれてもお金がないからどうしようもないと言っていたけど。」
「そうですか。」
話した内容は以前と変わらない。禅問答をしても仕方がない。
「アルバイトを探してきます。」
と言って話を切り上げる。とりあえずバイト情報誌でも見てコンビニバイトを探すしかないだろう。あとは無理だ。
こんな不況下でアルバイトなんか雇ってくれるところなんかそんなにあるわけがない。ましてや短期間で辞めてしまうアルバイトなんて雇ってくれる奴なんて要るわけがない。電話をすることが苦痛だし、ただアルバイト情報誌を眺めているだけで1週間が過ぎた。
香恋ちゃんはアルバイトが決まったかと毎日騒いでいる。
周囲のやつは修学旅行代稼げるかどうかでギャンブルしているようなやつもいる。
まあほとんど無理だと思うが、早良さんはどちらなのだろうか。
俺みたいな気持ち悪い人間は修学旅行に参加しないほうが望ましいと思っているのか、まあいいか。
暇なのか若林が絡んでくる。
俺図書館にいるのわかってるからエンカウントしやすい奴だと思っているのか、それともクラスからはぶられてるのか、今度同じ親から生まれた人に聞いてみよう。言語の通じない通訳を通じて。
「先輩働けるんですか?」
失礼な奴だ。確かに俺もそう思うが。
「いや探してるし。」
「そうですか、私のど、ために一緒に遺跡発掘について行ってくれると思ったのに。」
「お前のためじゃない。」
「お金を修学旅行に使うよりも私と遺跡発掘のほうが楽しいですよ。」
確かにそう思う。
「文句は香恋ちゃんに言ってくれ。香恋ちゃんが承諾すれば問題ない。」
「う。」
どうやら香恋ちゃんとは相性が悪いようだ。
結構こいつも香恋ちゃんに無理言ってやってもらっているからな。
人はいないとはいえ、百花姫の機嫌を損ねると大変だ。
そろそろ黙れというように視線を浴びせると、図書館だということを察して若林は静かになった。
ああ早良さんかわいいよ早良さん。
まあ、何も変わらないし、金を工面できるめども立たないので、仕事を紹介するかレポートとして課題をやらせるか判断を仰ぐためにまた職員室の香恋女帝に話をつけに行くことにした。
というか、働いたらろくでもない課題の処理なんかできないからな。
あれこれ何回書いたっけ、まあいいや。
「すいません。ほとんどバイト断られて無理なんで居残り課題にさせてください。」
嘘だ、一軒も電話してない。というか高校生おKのバイトはほとんどなかった。
「はい?」
「だから無理なんで修学旅行はレポートにさせてください。」
「アルバイト先は見つかったの。」
見つかっていない。というか電話をかけてもいないし何もしていない。
「見つかりませんでした。」
「どうしても。」
「無理です。無理なんでどうにかしてください。」
仕方ないから私がお金をという話になることは当然あり得ない。
そんなことやったら懲戒免職ものだからね。全く。
ついに観念した香恋ちゃんはあきらめた様子で
「わかったから、とりあえず課題用意するから。」
といった。
原始社会じゃない限り金さえあれば何でもできるが、逆に言えば金がなければ何もできないのである。
とりあえず、若林に観念したことを伝える。
若林は
「一緒に遺跡発掘に行きましょうね。」
というが、あなたと相性のいい香恋ちゃんは修学旅行に行きますよと伝えると、少しショックを受けていた。
じゃあ一体どうするんだろうか。土日で行くのだろうか。
平日はいけないぞ。
引率の先生いないから休日扱いされないし。
ほんとにあいつはどうするつもりだったのだろうか。
図書館では早良さんと話す。
「修学旅行居残りになったわ。」
「そう、残念だね。」
「琉球楽しんできてね、よかったら写メくれると嬉しい。」
「わかった。」
写メを渡すアドレスは早良さんは知っていたっけ。
まあいいや。気にしない。
ともかく、盛り上がっていくクラスメイトをよそ目に黙々と日常を過ごしていく。
なんかつまらなくなってきたので、若林の手伝いをすることもある。
相変わらず図書委員は何もない日々だ。
修学旅行に出発するクラスメイト達がバスに乗るのを送り、香恋ちゃんから渡された課題をこなすこととなる。
というかこれ前代未聞の修学旅行イベント学校幽閉って何だよ。
あ、そうだ、遺跡ほりは土日だってよ。どうやって行くんだか。
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