第4ステージ

第4ステージ 2学期編

 何の変哲もない2学期が始まる。

 相変わらず早良さんかわいいよ早良さんしながら登校する。

 部活図書館時折香恋ちゃんの講習と充実した学校生活を歩んでいると、修学旅行の班決めをすることとなった。

 三好とほかには適当にクラスメイトと組んだ。

 修学旅行の行き先は広島県だ。

 親もどこにも連れて行ってくれないし、帰省もないので、修学旅行は遠くに行ける機会だから楽しみだ。



 と思っていると、部活終わりに若林が図書室にやってきた。早良さんかわいいよタイムを邪魔するんじゃねえ。




「修学旅行の積み立て、先輩のお母さん解約したって言ってましたよ。

 一緒に、オホーツク文化の遺跡発掘に行きましょう。」


「じゃあ、自分が来年広島に修学旅行に行くときは俺と一緒に遺跡発掘に行くんだな。」

「うっ、それはそれ、これはこれ。」


 何がしたいんだこいつは全く。

 そんなに俺が好きなのかと言ってやろうかと思うが自意識過剰なのでやめる。

 というか積み立て解約して何がしたいんだあのくそ親。

 まあ、いやなやつばかりいる、修学旅行なんて行く必要もないとは思うが、かといって、遺跡発掘なんか行きたくもない。

 それ以前にこの話の時期には遺跡発掘なんかしても何もできない。



「というかなんでそんな話になるんだ。」

「ネタ切れだからです。」

 言うなって。

 だんだんリワード稼ぎで小説を書いていてそれで心がやんできて書くのをやめていたことについては問わないでくれ。全く。

 まあどうせこんなところにこんなくそ小説を書いていたって期待している人間なんて誰もいやしない。


 バカ話はともかくとして早良さんかわいいよタイムが終わってしまうではないか。

 早良さんを愛でなければ。


 終わりに早良さんが話しかけてくる。

 早良さんかわいいよ早良さん。


 おいこの文章何回早良さん書いたんだよ。


「修学旅行行かないの。」

「親が金を払ってくれなければね。」

 当然だ。俺はまだバイトをしていないし、通帳に金なんかない。

 10万円なんて用意できるはずがない。

 後バイトしたら香恋ちゃんに殺されるからな。

「家帰って親に積み立て解約したのか聞いてみるよ。それからだね。」

「そうだね。」


 ともかく真実がわからなければどうしようもない。

 それ以前にあいつは何で親が修学旅行の積立金を解約したことを知っているのか。

 話せない妹から聞いたのか、それとも無償で若林のところに何かする羽目になるのか。

(人間の餌代は高いぞ)

 まずは家に帰って親の話を聞くこととした。




「ただいま。」

 間違って生産した人にあいさつをする。

 こんな失敗作でも育てているのだからありがたい。

 晩の餌の時間に聞いてみる。


「解約したけど何か。」

 聞けば妹の分に回すという。

 当然だ、役に立たない兄貴より期待できる妹にすべてを託してほしい。

 俺だってそう思う。

 明日香恋ちゃんに話して修学旅行行けなくなったから学校その時期さぼってていいですかって聞いてみよう。


 さぼれるならば大喜びだ。

 喜びしか感じない。


 翌日さぼれないことが判明し、学校にわざわざ来てレポートを出すはめになるから、極力来れるようにしろというお達しが来た。

 どうすればいいのか、3か月で10万を稼ぐ方法について教えてくれ。

 後コンビニは無理だぞ。

 時給640円だからな。









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