相変わらず何もない夏休み  パート2

 香恋ちゃんに合宿について当然ながら一蹴されたものだから、若林さんよりせめて手伝いでもやってくれとのことだったし、暇だったんで手伝ってやることにした。

 部活用のジャージを着て登校する。

 ほかの学校のやつらはJRでも地下鉄でも部活のジャージを着ている奴がいるが、自分はめったに着て登校することはない。

 最も、夏期講習なので、どうせ何を着ても突っ込まれることはないし、そもそもカーリング部がまじめにやっている部活ではないことはよく知られていることであるから、7月や8月でも雪でも降るんじゃないかと思われるんだろう。

 実際に雪が降れば面白いと思う。



 香恋ちゃんの講習は午後からなので、午後だけ若林さんのトレーニングを抜けさせてもらうこととする。9時ごろ集合なので、いつもの登校時間より遅くても問題ないだろう。

 最初あのバカは朝5時とかわめいていたが、俺んちのような人外魔境から朝5時に学校に来れるわけがない。そもそも電車走ってねえし。せいぜい7時だバカ。


 学校に行くと、運悪く香恋ちゃんにつかまってしまった。当然ながら、余計な仕事を増やされたくない香恋ちゃんはいやそうな顔をしていた。

 若林との待ち合わせがあるので呼びかけには聞こえないふりをして集合場所へ向かう。



 グラウンドは当然ながら野球部とサッカー部が占有しているし、また隣の付属大学の部活の人たちも使用しているようだった。

 ジャージに着替えた若林さんと、疲労骨折から復活した都島さんがいる。

 都島さんは恨めしそうな顔で俺を見る。

 当然だ。受験なのに奴隷のようにこき使われて恨まれないはずはない。しかも美卯さん、矢野さんコンビは本州に行って置いてけぼりだし。




 基礎トレーニングの手伝いなどを行う。

 野球部とサッカー部のやつらにハーレムかと石を投げられたがそれならカーリング部に転部すればいいと思うだろう。しかし香恋ちゃんの厳しい授業はあまり受けたくないから転部するやつもあまりいないのが実情である。


 内容が薄っぺらい?気にするな。


 午後からは聞こえないふりをしてシカトした香恋ちゃんの授業である。

 早良さんは俺がジャージを着ているので少し驚いた様子だったが、授業がもうすぐ始まるので、そこまで深く考えなかったようだ。早良さんかわいいよ早良さん。


 機嫌が悪そうな香恋ちゃんの授業を受けた後、当然ながらお呼び出しを受ける。

 趣旨としては、あまり部活を熱心にやるなとのご指導だった。

 まあ当然である。クラス担任と授業だけでいっぱいいっぱいで、管理責任が発生する部活も持ちたくないのは当然だろう。


 しかしながら暇だしやることもないので、ガン無視してやることとした。

 若林はチームメイトに厳しいど俺にはそれほど厳しくないし。


 講習を終えて、トレーニングに合流する。

 相変わらず野球部やサッカー部にはやじられる。

 

 明日も暇つぶしに付き合ってやることにすることにした。




 

 なんだこれ。
















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