紅い海に月はなく

二作目の投稿です。何年か前に書き上げた、戯曲とも言い難い作品です。
SFが好きで勢いのままに書き上げると、結局よくある設定になってしまいました。すいません。

今回のテーマは「不死」についてです。
シェイクスピアの『ヘンリー四世』に、以下のようなセリフがあります。

　「なあに、かまいやしない。人間、一度しか死ぬことはできない。」

どんな経験をしていても、どんなに技能を積み重ねても、我々は死から逃れられない。だからこそ人間は古来より死や苦痛から逃れるために、依代を作り出してきました。そして、現代ではそれがアンドロイドになるのではないでしょうか。
アンドロイドに自意識を載せられたら……なんて妄想をよくします。

もし自分と同じアンドロイドがいたら、どう考えるのでしょう。
私はなんとなく怖いで…続きを読む