涼本ユリカとハードダメージジーンズ

「今日のインタビューはここまでです、ありがとうユリカちゃん」

「こちらこそ、ありがとうございました」


 女性インタビュアーに対し、ユリカはそう言って丁寧にお辞儀をした。


 11人組のクール系アイドルグループ・Marianの不動のエース、涼本ユリカはこの日、雑誌のインタビューを事務所内の一室で受けていた。エースにしてセンターを務めることへの意気込みやプレッシャー、そして今後の抱負など、アイドルとしてのこれからの自分の未来を中心に語り、インタビュアーを満足させるものを見せた。


 今回の雑誌のインタビューは私服で受けていいと言われていたので、一番気に入っている服を選んでインタビューに臨んだ。この日彼女が着ていた服は、黒を基調としたノースリーブにダメージジーンズとヒールの高い黒のサンダルだったが、インタビューを始めた直後、彼女の格好を見てインタビュアーは驚いた。


「それにしても、まさかユリカちゃんがこんなジーンズを履いてくるなんて予想外だったわ」

「いえ、私こういう格好って結構好きなんです。ちょっと派手かもですけど」

「ちょっとどころか大胆よ。このジーンズ、ダメージが凄過ぎるもの」


 そう言いながらインタビュアーは彼女のジーンズを撫でた。ユリカの履いているダメージジーンズは普通のダメージジーンズではなく、所謂「ハードダメージジーンズ」と言う類のものである。


 それも太ももの付け根辺りから膝小僧よりちょっと下までがっつりと穴が開いて生脚が丸出し状態なので、立っている時もそうだが、座っていると何も履いていないように見えてしまうのだ。普段の彼女のアイドル衣装は露出の少ないパンツルックやロングスカートが多いので、ユリカの真面目な性格も合わさって、このギャップには驚かされたのだ。


「こういう格好って、他の子達はどう思ってるの?」

「最初は驚かれましたけど、今はもう慣れたって言われますね」

「そう、でも本当に大胆だし、ユリカちゃん、脚も色っぽくてセクシーね」

「ありがとうございます」


 ハニカミながらそう言ったインタビュアーに、ユリカは照れながらお辞儀をした。



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 インタビューを終えたユリカはその後、事務所でマネージャーと明日以降の決定済みの仕事についての打ち合わせを終えて、午後7時30分に寮に戻っていた。


「あっ、ユリカちゃ~ん‼」


 そこへカッカッカと、赤い花柄のサンダルの靴音を鳴らしながら駆け寄ったのは、同じく一日の仕事を終えて寮に戻ろうとしていたピンクのワンピース姿の愛恋あずさだった。


「あずさ、あなたも今帰りだったの?」

「うんっ、ユリカちゃんと一緒になるなんて偶然だよ~❤」


 親愛、いや、恋慕とも言えるほどの思いを抱くユリカに出会い、あずさの興奮は最高潮に達していたようだった。


「それより、あずさはこれから夕飯はどうするの?」

「自分で作るけど~、あずさちゃんはどうするの?」

「私も自分で作ろうと思ってたけど、もう遅いし……」

「じゃあ、私の部屋で食べに来てよっ‼」

「えっ、いいの?」

「うんっ。簡単に作れるメニュー知ってるから!」

「じゃあ分かったわ。お邪魔するわ」


 あずさの提案にユリカは微笑みながら賛同し、共にあずさの部屋に入った。



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 9時近くになり、ユリカはあずさの手料理に満足しつつ、2人で食器の片づけに入っていた。


「それにしても、あずさって本当に料理が上手ね」

「ううん、ママが料理が得意だったから、色々と教えてくれたの」

「そうなの、凄いわね~あずさのお母さんって」


 濡れた手を拭きながら、ユリカは彼女にそう微笑んだ。


「それにしても……」


 そう言いながらあずさの視線は、ユリカの下半身、あの大胆なダメージジーンズに移っていた。


「ユリカちゃんのこのジーンズ、本当に大胆だよね~」

「それ、今日のインタビューでも言われたわ」

「今日のインタビューって私服だったんでしょ? 写真撮影もあったでしょ?」

「うん、インタビュアーのお姉さんに驚かれちゃったわ」


 そう言いながらユリカはジーンズの穴にちょっと手を入れた。


「私服のユリカちゃんってたまに動画配信とかで見る人はいるけど、みんな驚いてるよね~。大胆ってコメントも多いし」

「衣装が露出度低いものばっかりだから、私服は露出度高いものが多いって驚かれてるわね。ジーンズは基本的にダメージ加工されてるのしか履かないし、ホットパンツも大好きだし」

「たまにこう言うのを見るけど、本当に大胆で、セクシーで……」


 先程からあずさの視線はずっとジーンズの穴に釘付けだった。


「……もっと触ってみる?」

「えっ?」

「私の脚、このジーパンの穴越しに」

「いいのっ⁉」


 誘うようなユリカの言葉に、あずさは首を縦にブンブン振った。


「私はあずさの身体を好きにさせてもらってるのよ? アイドル業界広しといえど、私の身体を好きにしていいのは、あずさだけよ」


 頬を赤らめながらのユリカの誘いに、あずさは顔だけでなく、全身が真っ赤になっていた。


「じゃ、じゃあ、お言葉に、甘えて……//////」

「宜しい」


 照れながら答えたあずさに蠱惑的な笑みを浮かべながら、ユリカはあずさのベッドに腰を下ろし、ジーンズの穴から丸出しになった生足を晒した。


「どうぞ、あずさの好きにしていいのよ❤」


 誘われたあずさはすぐさまユリカの前まで着て正座し、彼女の生足を凝視し始めた。


「ほ、本当に、いいんだよね?」

「勿論よ❤」

「……行くよ」


 そういいながらあずさは両手をユリカの太ももに伸ばし、ゆっくりとそこに触れた。


「……スベスベ、そして柔らかい……」


 感嘆の言葉を漏らしながら、頬を恍惚とさせるあずさ。その手は既にダメージジーンズの穴から覗くユリカの生脚の虜だった。


 ユリカの太ももはとてもスベスベで肌触りが良く、そしてとても柔らかかった。極端に太い訳でもなく、かといって華奢という程細い訳でもない、程よい太さの脚は、同性であってもドキドキするものである。ましてそれがダメージジーンズ、特に太ももの付け根から膝の下までがっつりと破れたダメージジーンズともなれば尚更だ。


「やっぱりこのジーンズ、ダメージ受けすぎ……簡単に太もも触れちゃうし……」

「触るだけでいいの?」

「えっ?」

「もっと、やりたいことをしていいのよ❤」

「やりたいこと……‼」


 ユリカにそう言われた瞬間、あずさはガッ、とユリカの太ももに顔を埋めた。


「ううう~、ユリカちゃんの太もも、ほんっとうに気持ちいい~❤」

「うふふ、そうこなくっちゃ❤」


 どうやらあずさのこのアクションは、ユリカにとって望んでいたものだったようだ。


「本当に、気持ちいい……❤」


 そのままあずさは、彼女の太ももを揉み始めた。。


「きゃっ、あずさったら大胆❤」

「ご、ごめん、でも我慢できなくて……」

「いいのよ。でもこのジーンズ、座り方意識しないと、スカートみたいに見えちゃうから大変なの」

「ほ、本当に大胆だよ~」

「でも、衣装が露出度控えめな分、私服くらいは大胆にしたいの。特に、あずさをドギマギさせるんだったら、これくらいしないとって❤」

「もう、ユリカちゃんったら……❤」


 ユリカの口説き文句にも似たその言葉に、あずさは全身が沸騰しそうになっていた。


「あずさ、明日は確かオフだったわね?」

「うん、ユリカちゃんもオフだったよね?」

「じゃあ、2人でまた遊びましょう❤」

「うん」

「私、こういうダメージジーンズ他にも持ってるから、明日はもっと大胆なダメージジーンズであずさをドキドキさせてあ・げ・る❤」

「はぅ❤」


 ユリカのその一言で完全に陥落したあずさ。その日は明日が楽しみ過ぎて全く寝付けなかったのだった。




 



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アイドルは恋愛禁止だけど、百合ならちょっとはいいよね? 路地裏の本棚 @gonsuke2001

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