第13話

 Aグループは魔法使いがいるパーティが順当に勝ち上がった。


 俺と同じ武闘家の人もいたが、魔法使いに手も足も出ずにやられていた。


 筋肉が大きいだけで、大して力がなかった。筋肉を大きくする修行をしても意味がない。


 十分程経ち、とうとう俺の参加するBグループの予選が始まった。


 開始早々に魔法使いが極大魔法をぶっ放そうとしている。隙だらけでいつでも倒せるが、どんな魔法か見てみたい。


 剣士やアサシンが止めに行こうとするが、魔法使いのパーティメンバーが魔法使いをひたすら守る。


 闘技場の上に魔法陣が浮かび上がった。あまりの大きさの魔法陣に、楽しみが増した。


「血より赤き炎よ、全てを燃やし尽くせ! [極大魔法・獄爆炎ごくばくえん]」


 魔法陣から爆炎が降り注ぎ、殆どのパーティが為す術もなく壊滅した。


 詠唱はかなりダサいが威力は本物だった。といっても魔法自体、遅いので避けるのは簡単だ。


 しかし、極大魔法でかなりの脱落して残りのパーティは、俺を含めて七パーティとなった。


 残りは勝手に潰しあってくれるだろうから、気配を消して待機する。


 俺以外の六パーティが思った通りに潰しあってくれた。


 そして、残った三パーティと特に何もしていない俺が予選を突破した。


 観客席からは俺に対しての批判があった。


「あの武闘家は運がいいな」


「あいつ、戦っていたか?」


「あんな奴、最初からいたか?」


 正直、運がいいのは間違っていないし戦ってもいないし最初からいた。


 まぁ、トーナメント戦からはどちらかのパーティが全員脱落しない限り、試合は終わらない。


 どちらにしよ、結局は戦わないといけない。


 Bグループの試合が終わると観客が一気に増えだした。どうやらCグループには前年度に優勝した、[ブレイカーズ]というパーティが参加するらしい。


 どれだけ強いのか偵察を兼ねて見てみようじゃないか。


 パーティ構成は、魔法使いが二人に防御特化の剣士が一人で武闘家が一人の四人パーティだ。バランスがよく、全員が超有名な冒険者達のようだ。


 Cグループの試合が始まると、他のパーティ達はいきなり[ブレイカーズ]を集中攻撃をする。


 1つのパーティVS複数パーティの状況でかなり厳しい状況と思ったが、[ブレイカーズ]は防御特化の剣士を魔法使い二人が身体強化の魔法を使用する。


 剣士は元から防御が強いのに、更に防御を強化した。剣士専用技の[ウォークライ]でヘイトを集めて、味方に攻撃がいかないようにする。


 剣士がヘイトを買っている間に、魔法使いの二人が次々に他のパーティを壊滅させていく。


 武闘家は遊撃専門のようで、他のパーティ同士が戦っているところに乱入して両方のパーティを壊滅させる。


 気がつくと、残り十パーティまで減っていた。


 [ブレイカーズ]の勢いは止まることはなく、難無く予選を突破した。Cグループを突破した他のパーティはギリギリの状態だった。


 そして、トーナメント戦の組み合わせが決まった。

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