美しき死後の世界

死後を題材にした本作品であるが、憂鬱さや胸糞さは一切無い。むしろそれとは正反対の、一人の少女が親友の不幸から前を向いて生きる姿が描かれている。
だが、不幸は続く。
まだ年若い少女に訪れる最大の不幸、自身の死。だが、それでも尚、この作品には愛が溢れている。
死した己を見、過去を振り返りながら思う心理描写。死後の世界へ逝き、そこで再会する二人の少女。現世よりも遥かに美しく優しい、更なる世界。

惜しむらくは、中盤以降で少々会話に比重を取られ、描写が少なくなってしまったことか。

とはいえ、この作品の読了後に訪れる爽やかさに比べれば些細なことではあるが。

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