四桁に届くほどのweb小説を読んできましたが、このレベルの作品はとても珍しいです。
ストーリー構成の上手さは元より、あらゆる描写が凄まじい。
文章力とはこういう物だ、と言わんばかりの技巧です。
本編内容としては最近流行りのテンプレ小説からは程遠く、御伽噺をモチーフに独自の世界観を作り出しているローファンタジー寄りの作品です。
ネタバレになるので詳細は伏せますが、着眼点が面白いのも特筆すべき特徴の一つでてないでしょうか。
見た事があるようで、しかし類を見ない発想は心躍るものがありました。
古き良き小説を好む方、似通った作品群に飽いた方、遠い過去に感じたトキメキに再度巡り会いたい方。
そんな貴方にこそオススメしたい傑作です。
本当は最新話に追いついてからレビューするつもりだったのですが、第1章があまりにも良かったのでこの章を読んですぐにレビューしちゃいました。
テンポが良くてキャラもコミカルで勢いがありますね。同時に、倫理的な大事な部分をしっかり書いていたり、ホラーとしてのビジュアル的な怖さを描いていたりと読んだ後に残るものがあります。うまく言えないのですが、勢いよく筆を和紙の走らせた後に墨が滲んでいくような独特の魅力を感じております。
1章のバトルシーンはアニメ映えしそうでうっとりしました。
1章だけでも色々な魅力が見てとれ、老若男女に愛されそうな作品だなと感じました。
この先もどんな恐怖を体験できるのか、どんな魅力に出会えるのか楽しみにしております。
(あと、個人的に天羽先生が刺さりました。ビジュアル面で魅力的なのに、中身も可愛くって格好良くて優しくして……推すしかありませんね! 好きです!)
導入が衝撃的で素晴らしく、一瞬で興味を掴まれ、すっと物語の中に惹き込まれてしまいました。そして目に浮かぶような情景と緻密な心の動きにキャラ一人一人の動きが鮮明に顕れて、先へ先へと進んでいく手に、「どんな展開だろう?」「続きが読みたい!」となる。これがこの作品の魅力だと思います。
さらにこの物語の一番大きな特徴はちりばめられた伏線の数々です。最初から最後まで精巧に張り巡らされた伏線に読む手が止まりません。
これは伏線なのだろうか? 次は何が来るの? どんな風に回収される?
そう楽しみに読んでしまうようなお話です。
この物語の序盤は軽快に進みます。展開が早いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それでも物語の中の細かな構成はしっかりとしており、必要な情報も簡潔に伝わってくる。これは何よりも作者様の力量だと思い、尊敬しております。
私はこのくらいの展開が一番好きです。
これほど先が読みたくなるweb小説は私の中では一・二位を争うほどで、まだまだ先が気になります。そしてホラージャンルをもっと読んでみたいなと、幅を広げてくれた作品でもあります。
主人公と仲間たちがどうなっていくのか、
伏線からどんな世界が溢れてくるのか、
魅力たっぷり、読み応えのある物語です。
その内容はぜひ、皆さんの目で見て頂ければ。
初めてのレビューですが、この作品の魅力が少しでも伝わればと思います。
おすすめの一作です!