第19話ライラックの下で

ふわりと足元から浮いて、泳いでいけそうな青空だった。

遅咲きのライラックがさわさわと揺れて、甘い香りが弾ける

紫の花の房が、過ごしやすい春の終わりの風に波打つ


「少しここで待っていて」


マトーは花の陰の長椅子へ少女を誘う。ガラス細工を扱うようにそっと。

リマの額に軽くキスを落とすと、くすぐったそうにはにかんで踵を返す

葉を分けて森へと消えるマトーの背を、リマはぼうっと見つめる。大きな背。


キスを落とされたおでこがまだじんじんと熱い。

蝶がとまったほどの優しいキスなのに。なぜだろう。うずきが消えない。

それどころか熱が体中に広がって鼓動と重なる。

どんどん指先までしみわたって痺れてしまう。


きっとキスから流し込まれたに違いない。

甘い甘い……毒を。

毒に違いないわ。だって胸が痛くて苦しくてたまらないもの


いけないわ、こんなことで心を乱してしまっては。

マトー様にとってはキスなんて瞬きと同じ。……一喜一憂する奴隷の心なんて考えてもいないのよ。

気まぐれのやさしさに舞い上がってはいけない。つけあがれば殺されてしまうわ、恐ろしい人なのだから。


白い蝶がひらひらと追いかけっこをして、リマの鼻先を横切っていった。ぼんやりとリマも目で追う。

夜明けの星を散らしたような瞳の底に、昼の蝶が舞う


虫に心がないと言うのは本当かしら?

花の間を自由に飛び回るのは、とても心躍りそうなのに。

恋をしてぎゅっと熱くなったり、死の恐怖に凍えることもないのかしら。


「やあ、リマちゃん、お散歩かい?それともデートかな?」


妙に間延びした、軽やかな声がリマの思索を遮った。


「アスクレー様」


振り向くと、にっこりほほ笑んだアスクレーが佇んでいる。

細く切れ長の銀の瞳。腰まで丁寧に編まれた、とろりと眠そうな銀の髪。

山に入るのだろうか、今日は聖衣ではなく、ごめんなさい程度に蛇の紋章をあしらった軽装である。肩には大きな籠をしょって、足は足袋。

そして地面には縄につながれた……。


ぶひ


豚!?


「トリュフを取りに行くんだよ。豚で。本当は犬の方が見つけたトリュフを食べようとしないからいいんだけれど……。僕はあえて豚で挑む!」

ぐっ、と拳を握りしめるアスクレー。銀の瞳がキラキラ燃えている

な、なにやら譲れないこだわりがあるらしい。


「は、はあ。豚がお好きなのですね」

「縛るのが好きなの。豚を、縛るのが。もちろん縛られるのはもっと好きだよ」

「はあ……」


ア、アスクレーさまは司祭様なので尊敬すべきと思うのだが、時々よく判らない。

しかしそれにしても妙に官能的な、不思議な豚の縛り方だわ。


口の端を片方上げて、曖昧な笑顔でごまかす


にっこり。


アスクレーはリマのお愛想にも丁寧に笑みを返してくれる。

教会でもこの優しい笑顔で教えを説いてきたのかしら。とても似合う。

ぬるく穏やかな銀の瞳


だが何故だろう、時折その銀にそぐわぬ熱が灯る気がするのは。


鋭く値踏みされているような気がするのだ。


「どう、マトー様は優しい?二人きりの時も」

ゆっくりと、アスクレーが問いかける。信者の心をほぐすように


「は、はい。凄く、あ……」


甘いです。


そう言いかけて言葉が迷子になる。

なぜ甘くされているのかわからないのだから


「彼は一途だねえ。すっかり変わってしまった」

「い、一途!?……ですか?」

「ああ、僕としてはもっと女を侍らせてより多く繁殖して欲しいのだけれど…。まあ、神の愛は本当にこの女と決めたら一途なんだね。猛烈だ。他の女に見向きもしない。性欲がアイデンティティみたいな男だったのに。」

「神……? せいよ……?」

「うんうん。愛は偉大だねえ。」


戸惑うリマを無視して勝手にうんうん納得するアスクレー。一方、リマの頭は湧き上がる疑問でいっぱいだ。

思い切ってずっと聞きたかったことを口に出す


「あの、マトー様は……。他の愛人や奴隷たちをどこに囲っているのですか?一度もお会いしたことがありません。伝説や新聞記事では……大ハーレムを抱えていて、それも一晩で抱き飽きて丸ごと入れ替わったりすると聞きました。一度皆さまとお話ししてみたいのです…が…」


自分と同じ境遇にある人と話がしたい。

ずっとそう思っていたのだが、変な事を言ってしまったのかもしれない


どうしよう、どんどんアスクレー様のお顔が歪んでしまった。

眉根がよじれて銀の毛虫のよう


「うーわ、それ聞く!? 僕に聞く!? 僕は今初めて彼に同情したよ。参ったなあ。どう答えたらいいんだろう。めちゃめちゃ口止めされているし」


おでこをぴしぴし平手で打って考え込まれてしまった。

縄がぴんと張って、豚が抗議の声をあげる


「ああっ、もどかしいなあっ!言ってしまいたい」

諦めたように三つ編みをさらりと払ってため息をつく


「ハーレムなんてとっくに解散したよ彼は! どうしてだと思う? それにリマちゃんはどうしてマトー様のことが気になるのかな」


屈んで瞳を覗き込まれる。銀の瞳。

含みたっぷり意味ありげな流し目。

その瞳に捕らわれれば、果てのない銀の砂漠に落とされたよう。

謎を解かなければ飲み込まれてしまうのではないかしら。


「わからないの? 本当に? それとも目をそらしているのかな」


不意にアスクレーが声を落とす。微笑がさっと引いて、瞳が凍てつく。

耳たぶを撫でる冷たい声


「じゃあ、君は彼が他の女と同じ気持ちで、君を抱いていると思うのかい?そんな酷い思い違いは早く治さないと、命に差し障るかもしれないよ」


ふいに、荒く身を抱き寄せられる。大きくて熱い手。黒くてとても熱い塊。


「俺のリマに近づくな」


マトー様!


たちまち腕が回されてがんじがらめとなる。

息ができないほどぎゅむっと胸に押し付けられる。

ふわっといい香り。


炎と甘い果実の香。


籠一杯の木苺がリマの視界を赤く彩る

木苺を取ってきてくださったのね……頭の隅で勝手に考える

みやれば、慌てて走ってきたのか、地面にほつほつと赤い果実が落ちている


「俺のリマに触れたら殺すぞ」


思わず肩が竦むほどの低音。

羆でも一撃で倒せそうな凄まじい睨み。だがアスクレーは涼し気な笑顔だ。

少し呆れたような笑み。おどけたように肩を竦ませる


「おお、怖い怖い。神の嫉妬は怖いね。行くよメルキオール」


ぶひっ!


豚が嬉し気にいななく。飼い主に似ると言うのは本当かしら。どうでもよい疑問が浮かぶ


「きっこうきっこう亀甲しばり。豚だけど亀とはこれいかに~。おいしいキノコを採ろう。気持ちよくなるキノコもね……」


変な歌を歌いながら去っていく。


「……」


アスクレーが去ってもマトーの腕の檻は一向ゆるめられない


それもそのはず、マトーは気が気でないのだ。リマが他の男と会話するなど言語道断。特にアスクレーは要注意なのだ!リマの頭をなでなですると言う許しがたい前科がある。


「余計なことを言われなかったか?怪しいことをされなかったか?まさか頭を撫でられなかっただろうな。俺以外の男に指一本触れさせてはいけないぞ。何を言われた?」


「えっと、ええっと」


何を言われたかしら? なんだかとても意味深な謎かけを沢山された……


しかし、なぜか咄嗟にリマが掬い上げた言葉は


「……マトー様は性欲がアイデンティティ?」

「……アスクレーの爪をすべて剥ぐ必要がありそうだな」


リマを包むぬくもりの主は、限りなくうめき声に近い言葉を吐いた


***


二人はライラックのふもとに並んでほつほつ木苺を食べた。


甘酸っぱい木苺の香とライラックの花の香が混ざる


風のさざめき。小鳥のさえずり。

心地いい。


リマは驚く。

この恐ろしい人との沈黙が心地よいと感じるなんて!人生本当に何が起こるかわからない。


そういえば初めて出会った夜も苺を勧められたわ。真っ赤な苺。

あの時は怖くてたまらなかったのに。いつに間にか安心すら覚える。どうして?


意識してしまうとなんだか落ち着かなくなって、ちらちらとマトーの横顔を盗み見る。美しい横顔


リマの視線に気付いたのだろうか、黙々と果実を食んでいたマトーが不意に振り向いて


唐突に唇が深く塞がれる


指先まで痺れるほど甘いキスがリマを襲う

甘い果実を貪る様に、お互いの唾を味わう


たちまちたがが外れて夢中のうちに舌が絡む。どんどん深みにはまって抜け出せなくなる


身体の奥が熱い! 熱いはずなのに産毛がぞくぞくする。頭が真っ白になる。神に祈る時だって、こんなにのぼせはしない……


視界の端にひらひらと蝶がよぎる。先ほどの蝶だろうか。太陽を目指して飛んでいく


始まりと同じほど終わりも唐突に、弾ける様にマトーが身を離す


自分がしたことに驚いているようだ


「あ……。その。もぐもぐしてたのが可愛くて、つい。すまん。嫌だったか?」

真っ赤になっておたおた目を逸らす。恍惚に潤み切った黄金の瞳


「い、嫌じゃないです……。」


本当は少し嫌だ。


大嵐の海の様に心がかき乱されて、飲み込まれてしまいそうになるから。


マトーの一時の気まぐれに過ぎないと思うと、涙がにじんでしまう。

なのに貪欲に求められれば、すべて攫われたくなる。


「い、嫌じゃない…。俺とのキスが、嫌じゃない。ふふ、ふ。」


これ以上赤くなりようのないと思われたマトーの頬が、さらに真っ赤に染まる。耳の裏まで溶岩のよう。溶けてしまいそうだ。いや、若干溶けているのではないか?


「じ、じゃあ、もう一度……」


また!?


あんな凄まじいものを。いつか私は正気を失うのではないか


マトーの熱い指先が頬に触れて、


ぴくん


思わずわずかに身構えてしまう


「い、嫌…か?」

途端にマトーが硬直して、自信を無くす。不安そうな瞳がリマを伺う。


なんて顔をなさるのかしら!

まるで絶壁に立たされて、命乞いしているかのよう。

なぜ、奴隷の娘の顔を伺うの。好きにすればいいのに。

乱暴に欲望のはけ口にすればよいのに。

ああ、でも、そんな必死な顔をされたら


「…嫌じゃない…です」


リマまで真っ赤になっておたおたしてしまう。

今度は本当に、心から唇を重ねたい。もう、どうしても、たまらなくなってしまうのだ


躊躇われていたマトーの手が、耳の裏からするりと髪に埋められる


少し逡巡して、右の頬にキスが灯る。首をかしげて左のほほ、それから……


柔らかな唇が触れた途端、胸がぎゅっと締まる


触れ合った瞬間に、我慢が吹き飛んだマトーが切なげに低く呻く


逃げようがないのに、更に頭をぐっと抱き寄せられて舌をねじ込まれる


「んん」


大きくて柔らかくて熱い舌


深く深く溶け合うように唇を重ねれば、もう自分の境目もわからない



リマの中でかき回された甘い唾を、またマトーが掬い上げる

頭の中を掻きまわされて真っ白にされるよう。痺れて力が抜けていく。


ふっと腰が抜けて倒れ込む。マトーの厚い胸板が受け止める。

いつのまにか腕の檻にしっかり絡み採られて、もう抜け出せない。

熱い。

舌も胸も臍の下も熱くてたまらない。熱にあてられそうになる。

昏倒してしまいそう。それでもなおキスは容赦なくリマをねぶる。


ほんの少し唇が離れたと思えば息継ぎで、さらに深く深く潜る


「リマ…」


ざらりと熱を帯びた甘い声。黄金の瞳でリマを射貫く。うっとりと唇に一筋ひいた糸を舐めると、また恍惚に落ちる。


ざあっと突風が吹いて、花が舞いあがった


突然、リマの胸がずきっと痛む

心臓に毒針を仕込まれたような、経験したことのない痛み


「……っ!」


思わず、リマはマトーからもがき逃れようとした

「リマ!?どうした!?」

「すみません、ちょっと、息が苦しくて」


ばくばく鼓動が鳴っている。

マトーが心配そうに背中をさすってくれるが、触れないでほしい。

お願いだから、その金の瞳で覗きこまないでほしい。

私など気にかけないでほしい。収まるどころかどんどんひどくなっていく。


――どうして彼のことが気になるのかな?

ふいにアスクレー様の言葉がよぎる


気づいてはいけない!考えてはいけないわ!

気付いてしまったらきっともどれない


太陽に恋した蝶は焼け焦げてしまうのだから



***


ほんの少し距離をとって


二人はまた黙ってほつほつと木苺を食べた。


今度の沈黙は、なぜか、すこし張りつめているような気がした。


マトーは黙り込んで、酷く何かを考え込んでしまった。

すかっすかっと木苺の籠を空ぶって、虚空を見つめながらもぐもぐしている


なんとなく声をかけるのが躊躇われる。きまずくて暇だ


ライラックの花房が風にゆれた


そうだ。ふと思い立って、リマは立ち上がる。ライラックのたもとへあゆむ。本当に何とはなしに。息を吸うのに理由が無いように


長い黒髪が一房マトーの鼻を擽ったが、マトーは気づかない、顎に手を当ててブツブツ独り言を呻いている。


リマの眼前にびょんとライラックの花房が揺れる。びっしり咲いた花粒。

花びらに頬をうずめる様に凝視する。花弁を指先でかき分ける。一心に探す。

長いまつげをパチパチさせて。時折涙の膜を補充する


「リマ?」


マトーがリマに気付いたときには、リマは集中しきっていた。


「リマ、何をしているんだ?」

「探しているのです」

「何を?」

「五枚の花弁のライラックを」


マトーを振り向きもせずに答える。その手元にはライラックの枝花。どれも花弁は四枚だ

あまりに真剣なリマにつられて、マトーもなんとはなしにライラックをかき分ける。

二人仲良く黙々と探す。


重なるライラックのどれも四枚、この下こそは5枚ではなかろうか。これこそは。

戯れに始めたこと程人はむきになる。競うようにライラックをかき分ける、


しばし花枝の揺れる音のみが支配する


非常に優れたマトーの目が先に見つけ出した


「あったぞ!」

即座に摘み取って、リマの小さな手に載せる、五枚の花弁のライラック。

「欲しかったんだろう?」

「……。」

誇らしげに笑う。……、が、リマが無言でライラックを見つめているので少したじろいだ

「……? リマ?」


ぱく。


「!?」


リマはライラックの花弁を一口に食べた。

突然花を食べたリマに驚くマトー


「リマ? う、うまいのか!?それ……?」

こくんと飲み込んで、ようやくリマが言葉を取り戻す


「ご、五枚の……五枚の花弁のライラックを見つけて、無言で飲むと恋が叶うのです。」


「恋!?」


衝撃の言葉に、今度はマトーが目を剥いて言葉を失う。


「リ、リマはその、今、こっこ、こっ、恋、しているのか?」


まともに喋る事すらままならない。声がひっくり返っている。目元まで真っ赤、視線を逸らして指をくるくる。


--恋!?


マトーの問いに思いのほかリマはうろたえた。そんなことは考えたこともない。明日を生き延びる事しか考えていなかったのだから

水面に小石が投げ込まれた様に波紋が広がる


――恋

――私はマトー様が……

――私、今一体何を考えた!?


「えっと、いつか恋をしたときに、叶うといいなと思って願いを込めたのです」


とっさに思いつく言葉を攫って吐く。なぜだろう、自分にも嘘をついた気がするのは。


「そうか。いつか…か」

少し寂し気にマトーが笑った。


「リマ。本当にその、嫌じゃなかったのか?俺の口づけは……。」


先ほどリマが身を捩った事を気にしているのだろう、マトーが問いただす。

思い詰めたように瞳が潤んでいる。

恐ろしい殺戮者のくせにそんな瞳もするなんて、卑怯だ


「えっ、いいえ、嫌じゃないです。ぜ、全然嫌じゃない…です」


「…だけど、リマは俺に恋していないのだろう?」

弱弱しく掠れた声


「え?」

「なんでもない」


もう一度聞こうとして、唇が塞がれる

頭を抑えられて深く深く。


ざあっ


風が湧き立って、ライラックの花びらの嵐が巻き立つ。


世界が花嵐に攫われて、ただ二人きりのこされたよう。

本当にそうであればいい、何も考えずにこの人の虜となれればどんなに良いだろう


名残惜しそうに下唇を軽く吸って、唇が離れる。


「ライラックの味がしない。リマの甘い味しかしないよ」


「か、噛まずに飲み込みましたので……。」

「分けてもらおうと思ったのに。リマの甘いつばを飲んだら、俺の恋も叶うだろうかと。」


恋!?


ずきんと胸が高鳴る


「マ、マトー様も……マトー様は、恋をしているのですか?」


「……ああ。しているよ」

ゆっくりと、噛みしめる様に答えるマトー


まさか!


この恐ろしい人が誰かを愛するなんて!

信じられない!

一体どんな人?

きっと物凄い美女の女神だわ。いや、それともこのマトーさまが焦れるくらい、キツくて性格はすごく悪い大悪女かもしれないわ


「か、叶うといいですね!」

何とか言葉をひりだして笑顔を張り付ける


「……本気で言っているのか?」

苦虫をかみつぶしたような声。目が淀んでいる。なぜかしら。難しい恋なのかしら。

だけど物は考えようだわ! 難しい恋を私の力で成就させてあげられたら、奴隷として長く大切にしてもらえるかもしれない。チリチリ胸が痛いような気がするのは気のせいだ


「は、はい、本気です!マトー様の恋を応援します!」

「お、おうえ……」

もはや絶句して立ち尽くすマトー


「私、もうひとひらライラックを探しますね!」

マトーの胸を打ち抜く飛び切りの笑顔を向けて、早速腕まくりでライラック探しに取り掛かるリマ。

マトーの瞳には、残酷なまでに可愛らしく映った。あまりにも愛らしく、たっていることもままならない。思わずへたりこむ。戦場ならば命取りだ。今だけは許してほしい


「……そうか、応援か、はは、は。これだけキスもしているのに…なぜ伝わらない!?…身体だってあんなに…! くそ、俺の思いはどれだけ通じないんだ!?」

涙目で神を呪う


「はい?」


「なんでもない!!!リマ可愛い!」


なぜか唐突に褒められてしまった。その一言でまたリマの心に花嵐が起きる。慌ててライラックの花陰に身を隠す


ライラックの花びらを飲んだばかりなのに

どうして泣きそうなのかしら。神様の嘘つき。叶うどころかどんどん遠く感じる。

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