第22話 夜の外界
外界は既に闇に染まり、周囲を光無しでは右も左もわからないくらいだった。
少し考え事をしたいからと、普通の部隊なら部下が担当する見張り役を買って出た。
周辺に落ちた小枝を集め、そこへ火を放ち光を灯す。パチパチと火花が散り、空気に触れて消えていく。炎を小さく揺らす風が、何処か心地よく髪を揺らす。
彼が最強であることに間違いはない、だがそれは領界種や魔物に対しての話だ。
人を護ることだけを考え、鍛え、力を身に付け続けた。だが、人を護る力が故に魔物や領界種以外には通用しなかったということ。人間という人間にとっての害に。
二十年前の2007年に終戦した、悪魔種率いる魔界開闢統治軍と日本政府率いる領地解放革命軍の間で起きた、大阪府奪還星戦争。
戦争より十年前の1997年、魔界領域からの侵攻が激化し、当時序列十二位だった
2000年7月9日。大阪府奪還星戦争、開戦。だが、
彼らが参加したのは開戦から三年後の2003年。高等部
18とはいえ、学生という身分の人が戦争に参加するというのは世間からの批判はかなりの物だった。それを受けた政府は、メディアへ秘密裏に圧をかけることが多くなり、次第に世間に流れる情報は統一され都合のいい情報以外は流れなくなっていた。
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