53日目の退院決定決意

 退院日は26にち。これがトーカの退院日。ああ、あさってじゃないですか。

 そろそろ荷物をまとめなければいけませんね。

 トーカさんは荷物がとても多いので、Amazonで100個くらい買ってましたからね。

 運びが大変そうです。


 今日の病棟は大盛り上がりでした。N氏が受験していた国家試験の合格発表の日だったのです。トーカさんも自分の時のことを思い出しています。自分の時は、こんなにたくさんの人と一緒に同時に発表を見てくれるなんてことはなかった。


 そう、あの時も冬でした。あれ、今、春ですか?

 2014年。合格発表の日、サイトを見ると流れてくる「補正措置発動」の信じられないニュース。「合格基準の調整があった」ということ。「合格点を下げられられた可能性がある」ということ。180点で合格のところを、164点でごうかくになるということ。



 それはつまり、試験が難しすぎたので、すみませんでしたと、特例として、補正する措置を発動するということで、点が下げられたのです。トーカはあちこちで、「いやあ、補正措置なんてなくても合格してたよ」と吹聴していますが、私はそれが見栄であることを知っています。


 ちなみに、補正措置発しない場合のこの年の合格率は3%、補正措置発動後は8%です。特に民法は、余裕で司法試験レベルを超えていたといいます。いまだに「最強難易度の2014年、あの年」と呼ばれています。


 話を戻します。その合格発表。自己採点で十分合格点には達していたとのことですが、マークシートならずらして書いているということもあるし、万が一ということもあります。


 これは動画でとりました。とても気持ちの良い動画になりました。とても嬉しい。合格。とてもほっとしました。


 ドラえもんのエピソードの一つ「のび太の結婚前夜」という話にこんな台詞があります。静香ちゃんのパパ。「彼、のび太は人の喜びを一緒に喜び、悲しみを一緒に悲しめる人物だ。それが人としていちばん大切なことだから」と。藤子・F・不二雄先生が全力を出したシーンです。



 あの時の皆は皆、喜んだと思う。自分の時はこんなことはなかったから、


 ただひたすら、必死に、人々を見返していくつもりでやっていたから・・・・・・。少し、羨ましかった。



 皆でお菓子を広げているとナースさんが時々チェックして、注意をします。

 それで、先日、「気持ちはわかるのですが・・・・・・」と、とても深々と頭を下げてお願いをされた。その日は、その時は、さすがにそこまで頭を下げられては、とそのようにしたのですが、仲間の皆は結構「何?あのナース」と言っています。しかしこれも男女の差なのでしょうか。

 そこまで筋を通して頭を下げられたのだから、こちらも譲歩しようと思ったんです。私たち女性たちはそこまで考えなかった。今日ちくっと言われた時も、「何か言わないと気が済まないんだね」と不満だったみたいで。

 

 日記に書くことではないかも……いやいや、これはトーカ日記です。何を書いてもいいので書きますけど、頓服薬をもらいにいくときに偶然会ったので、一言話をかわしたそうです。一言、話をしたそうです。



 これからトーカさんは荷造りに入ります。バンドリをやる時間やドクターXを見る時間もあまりなくなるでしょう。しかし、東京封鎖など物騒な言葉が聞こえる中で、彼女と同じく新しい一歩を踏み出せるでしょう。



 主治医ももし頑張って駄目になったらまた戻って来ればいいよくらいのことを言ってくれました。意外と社会には、療養する場所があるものです。



 では今日の投稿を終わりにさせていただきます。

 これから投稿が1にち数回になるかもしれません。


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