43日目のとーかさんは反省している
これは日記だ。それなりに公開しているので、後悔していることも書き記しておこうではないか。
この病院は接触障害の人が多く入院している。そのどの人も体重の1キロ、2キロで人生を左右されるくらいの気持ちで生きていると思う。
その気持ちは痛くわかると思うが、彼女たちの苦悩には遠く及ばない。
及んでたらあんなことは言わない。
それはラウンジのことだった。同室のK氏が昔の写真を見せてくれた。K青年と今と比べて体重が、という話をしていた。
さすがにその2文字をここに書くことはしないが、「いや、太っていると言っても、○○っていうほど○○ではないじゃないですか」というような話をトーカさんが周りに聞こえる声で言っていた。
はっとした。しまった。ラウンジで食事をしているのは、食堂に出られないほど体力的に衰弱していたり、事情がある人ばかりだ。3名ほどいたと思う。
振り返ると、ハシの動きが止まっているような人も見られた。この場所で、あんな言葉を言うなんて。
ひとりひとり、どう思っただろう。その日は、皆がトーカのことを睨んでいるようにずっと思えた。摂食で苦しんでいる、と聞いている人の目を見ることができなかった。申し訳なさでいっぱいであった。
・・・・。もうあんなデリカシーのないひどい言葉は言わないようにしようと。反省して思って、今日の日記は締めとします。
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ファイナル外出。ついに決着の時
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