ロスタイム編
まさかの30日目 まさかの、ロスタイム
そうさ
俺は甘ったれさ
会社に配置転換命じられたとか
そんなことで動揺しちまうのさ
でも動揺しちまうものはしかたねえ
あと、会社が執拗に意見書と診断書を出せと要求してくる。
周りから聞いても診断書を出すのは一般的みたいだけど。
デリケートな話。
全裸の写真見せろと言われてるのと同じようなものだと思うのだけど。
それで、それを受理するまでは出勤できない。
だから、3月2日の出勤は消滅。いちばんはやくて3月3日。
たぶん病院からの出勤になるかな。すごい健康的だと思う。
それで、その首を切られる人専用の部署というものを見極めてきたいと思う。
月曜日から金曜日ほど。
そのうえで、進退を決めていきたい。
有給は10日まるまる残っているし。
3日に出勤して 2日くらいやって、10日有給を使って、やめるとか。
まさか、「やめるには1か月前に言ってください」なんて間抜けなことは言わないだろう。その原因を作ったのは誰だ。誰だ?
最悪、10日有給を使って、あとは行かずに無断欠勤して解雇扱いにしてもらいたい。
ーーーーーーーーーー
皆がいない病棟は本当に静かなものだった。
でも、もともと、こうだったのかもしれないなと思った。
ここにはちゃんと書いていなかったかもしれないけど、トランプでポーカーやブラックジャック、ババ抜きをやっていたし、やっているとあっという間に時間が過ぎてしまったものだった。それぞれが持ち寄った駄菓子屋や飲み物を並べて広げて。
時にはナースに食べ物シェアしちゃダメだとか注意されながら。
もちろん、その輪に加わらない人もいる。
ただテレビを見ている人。PCで仕事をしている人。電話をしている人。
楽しいものだった。
それが今日は、おじいさんが歩いていたり、おばあさんがiPadをいじっていたり、陰惨とした空気になっていたんだ。
それで、嬉しいのが、トーカさんは結局その、動揺を抑えるという理由で、主治医が来るまでの間のロスタイムのアディショナルタイムとして3日。
それを多くの人が認め、いやむしろ、歓迎…まで言っていいですか。
してくれたことだった。んだよ。
入院してからやっぱりなにかかわったきがするんだよ。
それは自分が変わったということなのかもしれない。
歓迎っていうか、早く職場に戻ってこいよとか、めしいこうぜとか、
病棟でも知らない人から声かけられたり食事こっちこいよみたいに言われたり。
物珍しいからかもしれないんだけど。それでも、お前うざいんだよとかなくて。
先に外にでたH氏とは友達だ!くらいのいきおいでやりとりを。
だから、つまり、3日といわずにもっといてくれと……。
もちろんとーかさんの予定とかあればそちらを自分は優先するけれど、
先生が許せば、と思っている。先生には「君なんで退院の話したのにいるの?約束が違うんじゃない?」とおこられるかもしれない。だから
先生には手紙を書こうと思っている。というか書いた。
というわけで、中から。まだ、なかから。新たな、30日目が始まる。
ゾクゾク する
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