アトリエ部文芸展 春号


『敵』2020.4.11


かくれんぼの鬼とか


ケイドロのケイとか


じゃんけんの他の人たちとか


ドッジボールのあっち側とか


敵なんてものは

おさないころから

ありふれたものだったらしい


◇ ◇ ◇

皆さんがお住みの地域では、ケイドロって言いますか? それともドロケイって言いますか? どっちの地域でも暮らしたことがあるんですが、私はケードロって言い方が一番しっくりきます。走るの苦手なので嫌いでしたけど。でもドッジボールよりはマシでした。そもそもクラス全員強制参加の昼休みレクリエーションが嫌いでした。友だちはいまひた。ひたひた。

◇ ◇ ◇


『泥』2020.4.18


ねえ、冷たい言葉をかけてみて


これ


ほんものだってこと


確かめたいから


◇ ◇ ◇

固まってる泥団子に水かけたらどろどろになっちゃうことから着想を得て広げていきましたが、ルビ読みの方が自然に意味が通りますね。文字込みで読むと泥が浮く。泥の存在が浮く。そこは泥じゃない方が良いのではって思ってしまいます。うぬぬ。泥で泥つけましたな。

でも、これはこれで「泥」が際立つかなぁ。足掛け前回りしようと思ったらぐるんってなって足掛け後ろ回りになっちゃったみたいな。いや、違うか? わからない。

◇ ◇ ◇


『巡』2020.5.2


体のなかで


血液ぐるぐる


終わりはどこ?


◇ ◇ ◇

血の巡りが悪くて、すぐ末端が冷えてしまうんですねぇ、私。「血」が出てきているのはそこからの発想です。

高校の頃、赤血球の寿命は約120日って習った気がするんですけど、寿命を迎えて破壊されたら、具体的にどこからどうやって排出されるのか習わなかった、です……たぶん……。

知ってることだけじゃなくて、知らないことも創作のネタになる!

◇ ◇ ◇


『結』2020.5.9


縁の切り所が悪かったのか

先っちょに結び目がぶら下がってる

僕との縁を結ぶのに使った分だけ

まだ君が残ってる


◇ ◇ ◇

「縁は結ぶ・切る。解く、とは言わないなぁ」という気付きから出てきました、こんにちは。解かずに切ったら結び目残っちゃいますよね。あっちから切ってもらうだけじゃなくて、こっちからも切らないと、ですね。

瀬戸内寂聴さんだったかと記憶しているのですが「一度結んだ縁は、そう簡単には切れない」という旨のことをテレビでおっしゃってるのを聞いて、「それは、良いも、悪いも、あるなぁ……」と思いました。響くところがあったので今でも覚えているのですけれど。

◇ ◇ ◇


『笑』2020.5.15


喜びを表していると思うな。


◇ ◇ ◇

あなたの心にひとはりプスリひとこと詩です。いま命名しました。そしてすぐ忘れます。皆さんも忘れてください。

戒めでもあり、本音でも、あり。どこでも誰にでも、どんな場面でもしっかり通用する愛想笑いをマスターしたいものです。愛想笑い自体は社交辞令みたいなもんですし、社会では機嫌よく振る舞っとかないとですし。ふうっ。

何も気にせず心からあははと笑える居場所を大事にしないとですね。

◇ ◇ ◇


『笑』2020.5.15


「笑」って笑ってるよねって言って笑ってる君の笑顔を見ながら僕は僕も笑ってることに気付いて思わず笑ってしまったんだ。


◇ ◇ ◇

ほんわかしたのも書けるよおおぉぉおぉ!!! 月並みな描写だけどねええぇぇえぇ!!!

「笑」を6個使用しました。もうちょっと入れられたかなぁ。入れたかったなぁ。「笑」の画数分入れるまで粘ればよかったかなぁ。10個か、いけたかも。いやいや、なんの拘りだよ、私……。

定型への拘りは薄れましたが、文字数合わせたり、行間空けるか空けないかで迷ったり、詩に対して何か拘り持ってるな、と思います。拘りというか、もはや癖。

◇ ◇ ◇


『詩』2020.5.22





            ……あっ


◇ ◇ ◇

Twitterでは様々な詩の企画がありますが、私は#詩コンと#アトリエ部文芸展に参加しています。

#詩コンのお題が「無題」だった週、私は詩をテーマに書きました。しかも複数。その翌週、#アトリエ部文芸展のお題が「詩」でした……。おうまいがッ!!

あっは~、やべ、どうしよ~うの「……あっ」じゃないですよ。詩が生まれるのって、ほんのちょっとした気付きがきっかけだったりするよね、の詩です。詩は自由だッ!!

◇ ◇ ◇


『詩』2020.5.30


適当でいい。

いいんですか?

いいんだよ。


醜悪でいい。

いいんですか?

いいんだよ。


一言でいい。

いいんですか?

いいんだよ。


無駄じゃない。

無駄じゃないんですか?

無駄じゃないんだよ。


◇ ◇ ◇

個人の見解です。私は、こう、考えています。

私は、もはや書かざるをえないから、という理由で書いています。昇華なのかな。色んな感情のはけ口というか発露というか。出てくるんですもん、言葉が、どっかから、ぼろぼろ。適当でも醜悪でも一言でも出てくるものは出した方がいいです。汗と一緒。汗と一緒……この表現は、ちょっといやかも。

私の場合、創作活動ってデメリットないのです。ありがたい。

◇ ◇ ◇



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る