第11話 3人称、神視点。
3人称、神視点という言葉をご存じだろうか?
1人称でもなく2人称でもなく、3人称なのですが、それに神視点が加わります。
1人称、2人称の場合、目線は自分や、相手に固定されてしまい、それ以上、多くを語ることはできない。
1人称や2人称だからこそ語れる切り口も、たしかに存在するには存在しますが、3人称の場合は、外野からすべてを語れるので、より詳細に、裏から表から物事を描写することができる。
3人称もよくある人称ですが、3人称、神視点の場合は、そこに天の声というか、神様の視点が加わる。
3人称、神視点で書いた場合、よくこれを作者の考えを意味しているのかとか、作家の主張は不用だとか、野暮な質問をされることがありますが、それは読者の読み込みが浅い場合に発生する現象で、神視点の場合は、朝ドラのナレーションのような役目を、ナレーターが言葉を付け加える働きをする。
3人称、神視点なる言葉は、今の市場において既得権を得て、私の知るところでは、ユダヤ系アメリカ人の脚本家、小説家でもある、シドニィ・シェルダンが由来になっているような気がします。
シドニィ・シェルダン以外にも、この技法を取り入れた作家は存在するのかもしれませんが、市民権を得たのは、シドニィ・シェルダンが初のような気がしてなりません。
物書きは、最初、1人称から取りかかることが多い。
けれど私を主人公にした小説は書きやすい反面、視点が固定されてしまうので、多くを語れない不備を生じる。
そして作家は2人称、3人称と進化していく過程で、3人称の都合の良さ、便利さを学び、そして3人称、神視点へと辿り着くことが多い。
これは最近、テレビドラマでもよく取り入れられる手法でもあるので、今後、もっと多用される技法になることだろう。
3人称、神視点。
どうぞお試しあれ。
つい言葉が足りていないと思われる場合、展開などで、朝ドラのナレーションのような、そんな仕上がりが期待できますので、ぜひチャレンジいただければと思います。
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