2章 お金持ちの御新規さんゲットへ



 主人との話し合いもスムーズに進み、新たな生活に向けて色々としないといけない事が沢山あった。まずは、実家の両親に報告。私の実家は、兵庫県の少し山手の田舎だ。一応由緒正しい家柄だと、私は思っていたし、離婚の話をすると、母はショックを受けるに違いないと思っていた。あの~実はね、雅也さんと離婚する事になったのよ。と申し訳ない気持ちで話を切り出すと、母が、あらそう。次探さないとね。まだ33歳でしょう?良かったじゃないの。35歳で婚活するのと訳が違うのよ。雅也さんに感謝ね。え~ショックじゃあないの?別に。お母さんからするとよっちゃんが羨まししわ。何故?だって、人生をやり直せるのよ!また、恋が出来るのよ!あ~変われるものなら、変わりたいわよ。よっちゃん落ち込んでいる暇はないのよ。次よ。次!と人の不幸?を何だか楽しんでいるように思えた。でも、門倉家から、初めての離婚者が出るなんて、申し訳なくて・・・と言うと、何を言っているのよ。このご時世離婚者の一人や、二人、誰の何も思わないわよ。最初はお気の毒ねと思われるけれど、あっと言う間の離婚した事を忘れるわ~。だから気にしないのよ!と私に言った。私は、母はいつから、こんな感じになったのだろうか?あまりのショックで、頭の思考回路がおかしくなったのではないのだろうか?と思った。でも、母の言う通り、早く次のメンズと住む家と、とりあえず仕事を探さないと。とにかく、色んなことが片付いたら、また来るねと言い残し実家をでた。

 住む家は、ぼんやりと決まってはいた。問題は仕事だ。私は結婚するまで、医療関係の受付でしか働いたことが無く、正社員として働いた事がない。以前は実家暮らしだし、お金の面で苦労はした事がなかった。今回はそういう訳にはいかないだろう。元主人もいくらかはお金をくれるだろうが、これから

は、メンズをゲットする為には、ある程度自分に投資をかけて、磨かないとそれなりのメンズはゲット出来ないし、お金の件は元主人とは、最終金額は決まっていないから、いくら位貰えばいいのか、京ちゃんか裕ちゃんにでも、アドバイスを貰えば良いか。恵美ちゃんはこういう事は疎いからね。あまり期待しないでおこう。と、実家から帰りの電車の中で、思った。

 元主人との家に戻ると、主人の荷物と主人の姿は無かった。この家に入れるのも、後、3か月間。そんなに広い部屋では無かったが、人が一人居なくなると、殺伐とした感じに思えた。あ~出て行ったのだと思ったら、自然とに涙が溢れてきた。主人と出逢ってからの10年間の思い出が頭の中で駆け巡り、急に淋しくなってしまったのだ。でも、ふと我に返り、泣いていても仕方がない、現実を受け止めて、気持ちを強く持って前に進まないとダメだと思った。さてと、住む家を探そうと、パソコンを立ち上げて、住宅情報サイトの検索を始めた。場所は大阪市内近郊で1LDKか2LDK、駐車場ナシ、駅近で検索を掛けた。すると、案外手頃な金額で良さそうな物件が画面に出てきた。その中の何軒かをピックアップし、元主人にメールを入れた。お金を払うのは、元主人なので一応お伺いを立てる意味でのメールだ。さてと、次は3人に連絡を取ろうと思い、近日中に集まれる日が有れば、連絡を下さい。といっせい送信をした。

何時間か経ち、三人とも同じタイミングで連絡が入った。京ちゃんは週末だったら、何時でも大丈夫。裕ちゃんも大丈夫。恵美ちゃんも大丈夫。。三人とも大丈夫みたいだ。ヨシ!この忙しい中、四人が集まるってことは、神様は私を見放していないって事ね!じゃあ今週の金曜日の19時に何時ものスペイン料理でヨロシクね♡と三人に送信をした。了解です。と各自連絡が入った。よし、この先の作戦を考えてもらおう。私一人の考えじゃあダメだ。週末に三人に逢えると思って気が抜けたみたいで、お腹が減った。そういえば、朝ご飯を食べてから、何も食べていなかった。

近くのコンビニに行って。何か買ってこうようと思い。家を出た。

 金曜日になり、私は気晴らしに、17時頃からミナミに出た。19時までの2時間ブラブラする事にした。別に何も目的は無いのだが、大丸心斎橋店の化粧品売り場に行く事にしてみた。実は私、化粧品売り場が大好きで、良い匂いがするし。化粧品ってキラキラしてるし、一番の理由は、女を綺麗にしてくれるアイテムだ。それに、化粧の化は化けると書く。すなわち、大体の女を、化かしてくれるアイテムだからだ。フロワーを一回りしていたら、2時間なんてアッという間に過ぎてしますしね。手始めにご贔屓のブランドから物色してみることにした。いっらしゃいませ。何かお求めの物はございますか?別に何も無いのだけどね・・・お客様、新製品のリップと、アイメイクが本日入荷したばかりですよ。よろしければお試しいたしますか?あら、ちょっと見せてもらえるかしら?かしこまりました。こちらの椅子にお座り下さいと、促されたので、座る事にした。一通り説明を受け、世間話をしリップ・アイメイク・チークまで試し。結局フルメイクを販売員さんにしてもらう結果になった。お客様凄くお顔が華やかになりましたよ。どうでしょうか?是非お求め頂いては?と私は、鏡を除いた。げっ、何か私ぽくない・・・何か派手だし・オカメインコみたいにされてるし・・・何か。この商品は私には少しは派手も・・・しかもギャルみたいだし・・・落してくださるかしら?と時計を見ると、18時55分になっていた!ヤバイ遅刻する。あ、時間ないのでもう結構です。ごめんなさいね。と言い私は売り場を後にした。急いで店に着くと、珍しく3人共揃っていた。誘ったのに遅れて。と言うと間髪入れずに三人共が声を揃えて、よっちゃん顔どうしたの?イメチェン?それとも、離婚で頭がおかしくなったとか?と言い大笑いをした。その声を聴いていた店のマスターも、どうしたの?顔?と言って、クスッと笑った。もう~さっき大丸の化粧品売り場で新商品を試してたら、こんな感じになったのよ。私もショックなんだから、あまり触れないでよ。と三人に釘をさした。で、相談ってと裕ちゃんが話を切り出してくれた。相談なのよね。お金の事。元旦那さんが当面の生活費を面倒みてくれるのだけど、いくら位貰えばいいかな~と思ってね 。そんなの沢山貰えるのだったら。貰うべきよ。元旦那さんはいくら位くれるって言っているの?と京ちゃんが聞いてきた。でも、提示された金額が少なくて、上手く貰える案を皆に教えてほしくて、集まってまらったのよ。よっちゃんはいくら欲しいの・と裕ちゃんが聞いてきた。私は、正直家賃+10万位かなと言うと、合計20万位か~20万は厳しいかもね。よっちゃんは働く気があるの?と裕ちゃん。勿論働く気はあるよ。それよりも、御新規のメンズを探さないと、もうすぐ34歳になるし、老化も始まってるし、良い物件(メンズ)は売れて無くなってくるしさ、時間がないのよね。と私がぼやいていると、じゃあさ~よっちゃん医療事務の資格持ってるのだから、歯医者とかの受付とかやれば良いんじゃないの?それか、手っ取り早く、リッチなおじ様を見つけて、養って頂くか?と珍しく恵美ちゃんが突拍子も無い事を言ってきたので。私を含めた三人の口がポッカリと開いてしまった。今、恵美ちゃん何て言ったの?私達耳が老化してしまって、高音が聞き取れなかったみたいだわ。と京ちゃんが聞き直した。だから、元旦那さんもお金をくれない、働きたく無い。じゃあ、リッチなオジサンをゲットして、援助してもらえばどうかな?と思ったのよね。どうした恵美ちゃん何かあったの?恵美ちゃんの口から、そんな言葉が出てくるとは思わなかったから・・・だって今遊んでいる東京の彼がそういう感じの人だからさ。それだし、いつも私以外の三人がいつも言っている事じゃないの?何年四人でご飯食べてこんな話ばっかりしてるのよ。私は何時までも、子供じゃあないよ!三人の恋愛の英才教育を受けて、育ってるのよ。得意げに話をした。本当、恵美ちゃんの言う通りよ。リッチなオジサン又は、ドクター狙いでどうよ。ドクターはきっとよっちゃんみたいな清楚な子が好きなはずよ!そうよ、とりあえず、開業している病院の受付にバイトでも良いから、行くべきよ!その意見に賛成!では、満場一致で、開業医の受付をしながら。リッチなオジサンをゲットする方向で宜しいでしょうか?と裕ちゃんが話を締めだした。ちょっと待ってよ。元旦那さんからお金をもらう話は何処にいったのよ!と私が怒り口調で言うと、あ、忘れてた。そうか、どうしようか、手始めに、10万で提示したらどぷかな?10万?と京ちゃんに聞きなおすと、だって、ミナミ近郊で住むつもりだったら、家賃の相場が8万弱でしょう。後+5万位だとすると、合計13万。そこで、少し少なく提示するのよ。よっちゃんが頑張ってみるわ~ってしおらしく言うと、雅也君の性格から考えると、よっちゃん、そんな金額で大丈夫?生活出来るの?となるわけ、そうすると。私の予想では、15万はゲット出来る可能性が高いと思うわ!さすが、商社の経理部!計算が早いわ!と私以外の二人が大絶賛し、京ちゃんに拍手を送った。そう上手く行くかしら?

と私が言うと、やってみないと解らないから

。頑張れ!それと、よっちゃん以外の各自はリッチな開業医&リッチなオジサンの検索をよっちゃん の為にお願いね。後、そうね~と言いながら私の全身を嘗め回すように見ながら、髪を巻き髪にチェンジで、清楚かつ、華やかな衣装にしよう!オジサン達はそんな感じが好きだと思う。そして、なるべくリボンの着いた服を購入していこう。と言ってきた。そんな急に言われても、無理だよ。と言うと。よっちゃん、これからが勝負なのよ。だって雅也君のお金もいつもで続くか解らないし、生きて行く術を考えないと。よっちゃんは、素質があるから、大丈夫よ。少しブランクはあるけど。直ぐに感がもどるわ!皆協力するから大丈夫よと、後、部屋もランダムに選ぶのではなくて、風水的に男運の上がる方角や間取りをリサーチして決めるべきよ!と裕ちゃんに言われた。ま、考えていても仕方がないし、皆の意見を取り入れて、頑張るわ。ありがとうね。忙しいのに集まってくれて。と、ふと恵美ちゃんを見ると、トイレに行く途中で、他の客に声を掛けられたのか、通路で談笑をしていた。本当、恵美ちゃん育ってるわぁ~と三人で恵美ちゃんを成長を喜び、目を細めてみていた。



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