エピローグ

目を覚ますと、そこは勇ちゃんの腕の中だった。


シトシトと、雨が降っている音が寝室に響いていた。


今日は雨か、休みだからいいけど。


今さらだけど、改めて勇ちゃんと結ばれたんだなと言う実感を噛みしめた。


初めては思った以上に痛かったけど、これも彼と結ばれたんだと言う事実だ。


結婚から5年目で、やっと夫婦になれたんだ…。


「――ッ、んっ…」


そのことに喜びを感じていたら、勇ちゃんが目を覚ました。


「――明日美…」


「――おはよう、勇ちゃん…」


わたしがあいさつをしたら、勇ちゃんはそのお返しと言うようにキスをしてくれた。


「――よかった…」


唇を離すと、勇ちゃんは呟くように言った。


「どうかしたの?」


どこか不安な様子だった勇ちゃんに、わたしは声をかけた。


「夢じゃなくて、本当によかった…。


明日美を抱いたこと、明日美と結ばれたことが夢じゃなくてよかった…って」


「勇ちゃん…」


わたしは勇ちゃんの背中に両手を回した。


「明日美?」


「わたし、やっと勇ちゃんと結ばれて嬉しいの…」


そう言ったわたしに、

「…そんなかわいいことを言うなよ、また抱きたいと思ってしまう」


勇ちゃんは額にキスをしてくれた。


「抱いて」


わたしは言った。


「えっ?」


「勇ちゃんに、また抱いて欲しい…」


「明日美…」


今度は、わたしから勇ちゃんにキスをした。


わたしが自分からキスしてきたことに驚いた勇ちゃんだったけれど、すぐにまたキスをしてきた。


「――ッ、んっ…」


好きな人とキスをすることがこんなにも幸せなことだったなんて知らなかった。


その相手が勇ちゃんなのが、とても嬉しい。


勇ちゃんの唇がわたしの唇から離れて、お互いを見つめあった。


「手加減はしないからな?」


そう言った勇ちゃんに、

「…しなくていいよ」


わたしは言った。


「勇ちゃんが好きだから、何をされてもいいから」


「…それ、本当に反則だから」


勇ちゃんはフフッと笑うと、わたしにおおいかぶさってきた。


☆★END☆★

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初恋結婚~旦那様は若奥様が愛しくて仕方がない~ 名古屋ゆりあ @yuriarhythm0214

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