第7話 花魁散会

令和2年1月26日 日曜日 午後16時10分


浅草寺外周を回って、浅草花やしきまでのルートは、仲見世通りと比べるとガラ空きでした。


途中、写真を撮ろうと食い下がる外国人観光客は何人かいましたが、

概ね問題なく到着し、ツナマヨさんをガードする私達の花魁道中は終了したのです。


開催が浅草花やしきだと聞いていましたが、実は来るのは初めてで。


撮影会や食べ歩きで何度か浅草には訪れていましたが、周辺マップに描かれている花やしきを見て、


「あぁ、なんかこの辺にあるんだな」


的な印象しか持っていませんでした。


実際に訪れた花やしきは、周辺の景観を打ち破るような、それでいて溶け込んでいるようなインパクトをもって、眼前に現れたのです。


浅草寺を歩いて少し行ったところに、いきなりの門構えで。


一緒に歩いていた他の参加者の方も


「こんな商店街みたいなところにあるんだ」と。


同意見です。



花やしきについた私達は、一旦解散して18時30分に再集合するスケジュールでしたので、

入場口についた時点で止まろうとした花魁道中に対し、引率のchaos先生から


「ここじゃなくて、もっと先にもう一つ入口があるから」


との指示が。


止まろ言うと思った一行は「はーい」と遠足の園児のような返事の後、

道なりに進んで、少し離れた裏口のような門の前に到着。



ここで再度、chaos先生からスケジュールの確認があり、私達はお色直しに行くツナマヨさんを見送った後、各々散会したのです。




およそ2時間後の再集合に向けて、私は朝の二の轍は踏まないと考えていました。

朝は遅刻したわけでは無いのですが、皆さんより遅くの集合だったため、

今回は早目に!との意気込みで20分前に門の前に到着。


周りを見渡すと誰もおらず、一先ず達成できた充実感で満足していました。


ですが、5分経ち、10分経っても誰も門の前に来ません。

いや、マジで誰も来ないんです、さっきまでの充実感が焦りに代わっていました。



そのうち、私の頭の中に

「本当にこの門で合っていたか?」との疑問が。


散会する前に門のみの漠然とした確認のみで、周囲を見渡していなかった事に気づき、

ひょっとしたら、この道沿いに他に門があって、

私は似たような他の門の前で待っているのでは?と、急激に怖くなったんです。


時計を見ると、18時22分。


やばい、動こう!とした丁度その時、和装の男性が近づいてきたため


「花魁道中の参加の方ですか?」とお聞きすると、そうです。との答え。


セーーーーーーーーーーフ!!! 心の中で安堵する私でした。



そこからは、続々と参加者の方が集まって来て、

18時30分の集合時間には、

全員集合で開門するその時を待っていたのでした。




ちなみに、和装の男性と同タイミングで到着されたのは、

漫画家のあほすた先生(@AFOSTAR02)でした。


実は門の前にある飲み屋で飲んでおられたそうで、私も待っている間に


「良いなぁ、あんな風に飲んで待てたら良かったな」

と思って見ていた女性が、

店から出た後そのままこっちに来て。


「あ、漫画家のあほすたです」と仰り、思わず笑ってしまいました。

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