第4話 冒険の始まり
次の日の朝になると僕は再び呪文を唱えて、異世界に行った。
視界が塗り替わると、そこは昨日と同じガランとした部屋だったのだ。どうやら異世界に来るとこの部屋が出発地点になるらしい。
僕は異世界、いや、魔法の力が全てを支配しているアルレガイアという世界のことをもっと、もっと知りたくなった。
マギウスの書によると、アルレガイアにはアルハイラム帝国とアルサントリア魔法王国、そして、下界との交わりを断っている天空都市アルセナシアしかないらしい。
非常に狭く閉ざされた世界なのだ。
しかも、地球のように丸い大地の上あるわけではなく、今いる大陸の外には底なしの闇しかないらしい。
ちょうど一昔前の人が、海の向こうに行くと途切れた部分から落っこちてしまうと思っているようなものだ。
アルレガイアでは底なしの闇に触れると全てのものが消滅してしまうと言う。
結局のところ行くべき場所はアルセバイン王朝から分裂して生まれたアルハイラム帝国とアルサントリア魔法王国、あとは天空都市アルセナシアしかないらしい。
でも、異国のようなものはあるという話になっている。
何となく世界系の匂いがプンプンする世界だ。誰かの想像力によって生まれた世界とか言うオチが付いていそうだ。
でも、僕にとっては魅力的な世界であることには変わりない。
ま、今いるこの王都アルサスも東京並みに広いらしいし、見る物に飽きると言うことはないだろう。
なら、観光気分でこの町を散策してやるさ。
そうすればきっと得るものはある。少なくとも、家の自室に籠っているよりは余程、建設的だ。
そう思った僕は出発地点の建物から出ると、まずはこの王都アルサスをくまなく回ってやろうと発奮して、たくさん人で賑わう大通りを歩き始めた。
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