第2話 印税70%を手にするために-真世、何書くってよ?-

 KDP……Kindle Direct Publishingについて調べているうちに、印税70%を達成するには、幾つかの条件があることがわかった。(情報は2020年1月末現在)


 ・小売価格が¥250~¥1,250の間にあること。

 ・デジタル版の配信をKidleストアのみにすること。

(なお印刷版があるなら、それはどこで販売しても、構わないらしい。ただしデジタル版と印刷版を両刀でいくなら、デジタル版は印刷版より20%OFF以下の価格で販売しないといけないとか、縛りがある。)

 ・つまり、カクヨムや自サイトで既に発表した作品は、独占配信とならないからNG。

 ・Kindle Unlimitedという定期購読者サービスには強制加入になる。(自分がKindle Unlimitedに加入になる(ユーザーになる)という意味ではなく、出版した本がKindleUnlimitedの対象作品に強制的になる、という意味です。)

ちなみに、Kindle Unlimitedで読まれた場合は、初めて読まれたページ数に応じて分配金がある。

 ・ロイヤリティから通信費(配信コスト)も差っ引かれる。(ただし、10MB以上だと、例外的に通信費は免除される。これは多分漫画本が多い日本市場を意識してのことだと思われる)


 こういう縛りが嫌なら、印税、正しく言うとロイヤリティは35%で我慢しておけって話になるみたい。(まあ、35%でも美味しいと思うけれど)


 そして、ロイヤリティに関係なく発見だったのは以下の事項。

 ・私が前に調べた時(2016年以前)と違って、Wordファイルをそのまま入稿できるっぽい。アウトラインや目次作らないといけないとか、細かいルールはあるものの、コーデックは必要ないっぽい。(まだマニュアルに完全に目を通していないから、あくまで『ぽい』に表現を留めておいております)

 ・表紙を別ファイル(JPEG)で作る必要あり。Wordで表紙を作らなくちゃいけないって言われたら嫌なので、これは、逆にありがたい限り。

 ・2016年以前に話題になっていたアメリカの納税者番号(TIN)については登録する必要性は薄くなっている(日本でマイナンバーが導入されたのでそれを納税者番号として使えるため)ちなみにだけれど、過去はこのTINを登録するために沢山の人が英語で書類のやりとりをしなくちゃいけなかったりなどして、血の涙を流した模様。


 ……まあ、この注意事項の中で一番大きいのは『独占配信』の項目だったりする。


 既にネットで発表されている作品は使えない(ネット上から消去すれば使えるんだろうけれど、私にその気がない)わけだから、未発表の作品から目ぼしいものを探すか、もしくは新作を書き下ろすしかない。


 文学賞の一次を通った作品等をリサイクルする手もあるにはあるけれど、今まで私が書いてきたものの中でカクヨムにおいて反響があったのはメンタルヘルス関係のエッセイなので、文学賞に応募して、しかも結果的に落選してしまった作品は土俵が違う。


 端的に言えば、せっかく売り出しても、需要がないというか、あまり手にとってもらえない気がするのだ。


 私の武器はやっぱりエッセイ。それも渦中にある当事者にしかわからないことを書くのがいいと思うのだ。


 これについては、書き溜めてはいないものの、元々温めていたテーマ、書こうと思っているモチーフがある。


『精神科閉鎖病棟強制入院日記(仮題)』である。


 私は任意入院の前に医療保護入院、というものを経験している。

 医療保護入院は、厳密に言うと強制入院ではない。だが、強制入院と同義なのだ。なぜなら、保護者(家族)の同意によって為された入院なので、そこに私本人の意思は介在していないからだ。


 精神科閉鎖病棟任意入院日記

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054882101528

 にも「よく耐えましたね」や「大変でしたね」などの温かいコメントを読者から頂いたが、医療保護入院≒強制入院は、任意入院とはくらべものにならないぐらい、もう、段違いに辛かったし、きつかった。


 どれくらいかというと、未だに夢をみてうなされ、汗びっしょりで飛び起きて、である。


 四肢の自由を奪われたことも

 飲水の自由を奪われたことも

 排泄の自由を奪われたことも


 あの地獄の日々を、私はありありと覚えている。忘れられるわけがない。


 ……。

 ………。

 …………。


 さて、何を書くかは決まった。(まだ、一文字も本文書いていないが)


 次回予告「原稿を書くために-トラウマとの格闘-」

 お楽しみに

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