笑いのプラスエネルギー

 私が子ども達の部屋に入るときのお約束はこうだ。ノックを2回、そしてドアを開け

「邪魔するで〜」

これに対して部屋の主に期待するのは

「邪魔するなら帰って〜」

なのだが、まともに付き合ってくれる事はまずない。そこで私は

「そこは『邪魔するなら帰って〜』でしょうがぁ…。それで私が『はーい…なんでやね〜ん!』と…」

子ども達は

「あー…はいはい」

と、気分が悪くなければ少しだけ笑って応じる。


 植西聡さんの「折れない心をつくるたったひとつの習慣」には怒りがマイナスエネルギーであり、喜びや笑いはプラスエネルギー

になるとある。

 私は怒らないように気をつけると同時に、少しでも多く笑うようにした。

 しかし、怒らないようにするのと同じように、笑いを増やすというのも意外と難しいものであった。特に不登校という問題を抱えて家にいる子どもを目にしていると、なかなか笑える出来事など起こらないのである。

 

 なんでもいいから笑えるネタをと考えた私はお笑い番組を見るようにした。ちょうどテレビで「エンタの神さま」や「爆笑レッドカーペット」が放送されている頃だった。

 どうしても気持ちが沈んで仕方ない時にはダビングした番組やレンタルDVDも利用した。私が子どもの頃にテレビで見たドリフやひょうきん族も借りてみた。


 やはり笑いのプラスエネルギーってあるのだと思った。どんなに気持ちが沈んでいてもお笑い番組を観ていると、そのひと時は辛さを忘れる事ができるのだ。もちろん、"笑おう!"と思って見ることも、ある程度必要だが。


 私は意識してお笑い番組を見るようになったが、子ども達ももちろん楽しくお笑い番組を見ていた。

 そうすると、どの芸人が好きだとか、どのギャグが笑えるとか、普段の会話にもお笑いの話題が増えて、その会話の中でも笑う事が多くなっていった。章の頭にあるようにお笑いを生活の中にとりいれることもある。

 今では自然に笑える事がふえ、常にというわけではないが、だいたい家族みんな楽しく生活している。


 笑いにはプラスエネルギーがあると実感している。

 

 

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