長男の居場所 4 音楽教室
行っていたひまわり教室が閉鎖となって長男は家にいることが多くなった。他のひまわり教室もあったのだが、人数が多く校区外で行く気にはならなかったようだ。
家にいることは多かったが、幸いな事に引きこもりという状態にはならなかった。
ある日長男がリビングに来て言った。
「お母さん、引きこもりになるのって難しいね。コンビニとか本屋とか行きたいし、マックも食べたいしね。」
実際に長男は引きこもり状態にはならなかった。
まずは週一回の音楽教室に通っていた。幼稚園の時に始めた教室は最初は6人のグループレッスンだったが、小学生となり学年が上がるうちに人数が減っていき、中学に入学する時には長男と女の子の2人だけのレッスンになった。
幼稚園の時から家で練習するような熱心さはなかったが、辞めたいと言い出した事はなかった。年1回の発表会やグレードテストなどはいつ練習していたのか、ギリギリ間に合わせるのだった。
一緒にレッスンを受けていた女の子とは中学も違い、先生と生徒2人のレッスンの時間は気が楽だったのかもしれない。中学になってレッスンの様子を聞くと
「女子の中学の愚痴を聞いてるだけで、ほとんどレッスンになってないよ。先生も諦めてる。毎回ひと通り愚痴を聞いた後で少し練習して終わり」
と真顔で言うのだった。
音楽教室のレッスンには熱心ではなかったが、音楽好きな夫の影響か中学くらいから音楽や楽器に興味を持つようになった。
小学校の頃は漫画やアニメの話しが多かったのが、パソコンを触るようになるとバンドやドラムの話しをするようになった。
中学卒業で音楽教室は終了した後は音楽への興味は、ドラムを趣味とすることに移行し、これがサッカーの応援団のスネアとかいう太鼓担当につながっていったのだった。
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