長男の居場所 5 地元サッカーチームの応援

 夫はスポーツ観戦が好きだ。それまでは隣県のプロ野球観戦に家族で行っていたのだが、ある日長男が中学に入学して、まだ学校に通っていた頃プロサッカーも観てみようという話しになった。

 ホームグランドは家から自転車で行ける場所にあり、家族5人で行った。

 私と三男は"野球の方がいいな"という感想だったのだが、夫と長男次男はサッカー観戦に夢中になった。


 自転車で20分という気軽に行けるプロサッカーの試合であり、夫と長男次男は毎試合を観戦するようになった。

 もともと野球観戦でも応援団近くで大声を出す事が好きな家族だったので、サッカーでも同じように大声で応援していたようだ。

 試合が終わって帰宅すると選手や試合の様子だけでなく、顔馴染みになったサポーターと言われる人たちの話しも多く聞かれるようになった。

 夫もだが、長男も実は社交性がけっこうある。ただ、どちらかというと歳上の相手の方が得意なようだ。

「歳上とかオッサン達は、どういう風に喋ればいいかわかるんだけど、同年齢って苦手なんだよな。」

と長男が言ったことがある。



 振り返ってみても、本当にサッカー観戦が身近にあって良かったと思う。

 長男はチームのボランティアとして、様々な活動に参加していた。そして後から長男に聞いた話しだが、高校を退学した時には

「なにやってるんだ! じゃあ、応援団にはいれ!」

と言ってもらえたらしい。

 そして今では時々太鼓(スネアというらしい)を叩かせてもらっている。

 

 本当に長男はサッカー観戦を通じて沢山の人と付き合い、様々な人に救われて成長させてもらったと思う。

 いつか母として感謝の気持ちを伝えたいと思う。

 

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