作戦会議

「ねえ。カナさんも職員室に移動して全体的にマップの上の方に集まってみない?」

ナナミは生徒全員に聞こえるように提案した。

「どうして? みんなで一カ所に集まるの?」

アスカの声が聞こえる。

「違うの。全員が上の方に行けば、侵入者も上の方に移動したがるかなと思ってさ」

「そうか。侵入者を誘導させるというわけね。そして上に引きつけておいて下に逃げると」

カナからの通信が入った。


「でもそれすら侵入者に読まれる可能性もあるかも」

ユアが心配そうな声を出した。

ユアはとても綺麗な容姿でお嬢様といった雰囲気を持っている。アイドルグループにいたら絶対センターに立つだろう。

「は虫類みたいな顔だよね」と過去に言われたことがあるナナミや、ギャルの見た目をしたアスカとは正反対の清楚な子である。


「でもさ、仕掛けることで何らかの心理戦が行われるってことでしょ。ただ闇雲に逃げまくるよりも予想を立てやすいかもよ」

カナに言われてユアも納得したようだ。


生徒からは侵入者の位置は分からない。

でも侵入者は生徒がどこの部屋にいるか分かる。彼女たちの行動を見て進む部屋を変える。

心理戦は有効であった。


これで『職員室』にユアとカナ。『3―A』にナナミ。『3―C』にアスカが移動した。

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